入院したことがある方もいれば、ない方もいらっしゃると思いますが、実際、入院する確率というのはどのくらいなのでしょうか?
また、入院した場合、平均何日くらい入院するものなのでしょうか?
今回は、厚生労働省「患者調査」(平成26年)を参考に、入院の実態を確認してみます。
入院する確率は約1%!高齢者ほど上昇し、90歳以上では8%超
次の表は、人口10万人あたり何人が入院もしくは外来で受療したか(受療率)を示しています。
まず、「入院」の「総数」のところを見て頂くと1038人となっていますので、入院する確率は
1038人 / 10万人 = 1.038%
と約1%であることがわかります。
男女別、年齢階級別になっていますが、0歳を除けば1歳以上59歳まではいずれも平均以下になっています。
そして、60代あたりから平均を上回るようになり、特に80代、90代では急激に入院している人の割合が上昇していることがわかります。
入院する確率は低下傾向
さらに、次のグラフは年齢階級別にみた受療率を時系列で表しているのですが、左の入院の受療率は年々低下傾向にあることがわかります。
つまり入院する人の割合、入院する確率は下がってきているということです。
(ということは、入院に対して給付する民間の医療保険の保険料も下がってきているはずですね)
平均入院日数も低下傾向で、現在は平均31.9日!
次のグラフは平均入院日数の時系列変化を示しています。
(なお、「患者調査」では「平均在院日数」という言葉が使われていますが、本記事内ではわかりやすく「平均入院日数」という言葉で読み替えています)
多少でこぼこはありますが、平均入院日数は長期的には低下傾向にあり、ピークだった平成2年では平均44.9日だったのが、最新の平成26年では平均31.9日となっています。
入院の短期化が進んでいます!
(ということは、入院に対して給付する民間の医療保険の保険料も下がってきているはずですね)
なお、病院と一般診療所では、日数に差がありますが、病院ではより重い病気やケガのための入院が多いということなのでしょう。
65歳以上の平均入院日数は半分近くまで低下!
年齢階級別に平均入院日数の時系列変化を見ると、65歳以上では昭和62年のピークから半分近くまで低下してきていることがわかります。
高齢者の方も、入院はできるだけ短くという動きが進んでいるようです。
傷病分類別平均入院日数では「精神及び行動の障害」が291.9日と最長で、「骨折」は37.9日
次の表は、病気やケガの種類別、つまり傷病分類別かつ年齢階級別にみた平均入院日数を示しています。
(表が縦長だったため、画像は上下2枚に分けています)
平均入院日数が最も長いのは「精神及び行動の障害」で、291.9日と約10ヶ月になっています。
そして、「骨折」は37.9日と平均よりは少し長めという感じです。
表を左から右に向かって見て頂くと、年齢階級別のデータを確認することができますが、平均入院日数を押し上げているのは65歳以上、75歳以上といった高齢者の方で、64歳以下の方は短い傾向にあることがあらためて確認できます。
最後に
いかがでしたでしょうか。
入院に対するイメージが少し、具体的になりましたでしょうか。
現役世代の方は、たとえ入院することになったとしても、平均入院日数は短い傾向にあり、長期入院のリスクが高いのはやはり65歳以上の高齢になってから、ということになります。
そういう意味では、医療保険(入院保険)の真価が問われるのは、やはり65歳以上の高齢になってから、ということになりそうです。
そのリスクに備えて、若くから医療保険(入院保険)に加入するのも一つの考え方ですし、一方で、資産形成して手元金融資産を充実させることで備えていくという考え方もアリだと思います。
よろしければこちらの記事もご覧頂ければと思います。
https://shisankeisei.jp/prepare-for-risk/public-health-insurance/
入院リスクへの備えはどれほど必要?平均自己負担費用は22.1万円!医療保険加入率は72.1%!~生命保険文化センター「生活保障に関する調査」(平成28年度)~