日本人の2人に1人がかかると言われているがんですが、その治療費はいくらくらいかかるのでしょうか。
一度もがんにかかったことのない方が想像する治療費と、実際にがんを経験した方が支払った現実の治療費には大きなギャップがあるようです。
がんセミナー来場者へのアンケート調査(アフラック、2011年)の結果を確認していきます。
調査概要
がん経験の無い人が想像するがん治療に関わる費用は300万円以上
がん経験の無い人が想像するがん治療に関わる費用は、「300万円より多い」と回答した方が32.1%、「300万円程度」と回答した方が21.1%となっており、合わせて5割を越えています。
がんと言えば、「300万円以上はかかりそう」と考えている方が多いようですね。
がん経験のある人が実際に支払ったがん治療に関わる費用は50~100万円程度
一方、がん経験のある人が実際に支払ったがん治療に関わる費用は、「50万円程度」と回答した方が36.3%、「100万円程度」と回答した方が29.5%となっており、合わせて約66%となっています。
がんにかかったとしても、3人に2人の方は治療費は100万円以下で済んでいるのが実態のようです。
がん経験が無い人が考える、がんの治療費をまかなう有効な方法は保険が圧倒的
がん経験が無い人の約7割の方は、がんの治療費をまかなうのに有効な方法は保険だと考えられているようです。
がん経験のある人が実際に治療費を支払うのに利用した方法は、保険と貯蓄がほぼ半々
一方で、がん経験のある人が実際に治療費を支払うのに利用した方法は、保険が48.5%で1位となっていますが、続いて貯蓄が43.0%となっており、保険と貯蓄がほぼ半々という結果になっています。
もちろんがん保険にそもそも入っていなかったので、貯蓄でまわなわざるを得なかったという方もいらっしゃるかもしれませんが、実際の費用が50~100万円ということであれば、貯蓄から十分まかなえるのではないでしょうか。
「そもそもそんなに貯蓄がないんだけど、、、」という方は、がん保険以前に、家計の総合的な見直しが必要かと思います。
厚生労働省「医療給付実態調査」の結果とも整合的
以前、厚生労働省「医療給付実態調査」を以下の記事で取り上げましたが、そこではがんの診療費は約64万円という数字になっていました。
実際の診療費の自己負担額は64万円の3割負担で、さらに高額療養費制度が適用されますので、20万円弱になるという結果でした。
この厚生労働省「医療給付実態調査」は診療費だけですので、そこに含まれない差額ベッド代や交通費、入院時の生活費などすべてを合計すると、アフラックの調査結果である「100万円以下」くらいという数字と整合的な結果と言えるのではないでしょうか。
厚生労働省「医療給付実態調査」ではがん以外の様々な病気についても診療費と入院日数がまとめられていますので、こちらの記事もぜひご覧頂ければと思います。
がん経験のある人が必要だと考える「がんへの備え」は「早期発見のための検診受診」「がんに関する知識」「経済的備え」
がん経験のある人が必要だと考える「がんへの備え」トップ3は以下のような結果となっています。
- 早期発見のための検診受診
- がんに関する知識
- 経済的備え
最後に
百聞は一見にしかずという言葉がありますが、実際に自分がその立場になってみないとわからないことは多いですし、がんのような病気については不安になり、リスクを過大視してしまう傾向があるのかもしれません。
ある程度の資産ができてきたら保険はほどほどに、様々なリスクに対しては、使いみちに制限のない貯蓄で対応していく方がよいのではないかと考えています。
なお、このアフラックの調査結果では、がん治療費用以外にも、がん告知、がんに関する不安、がん検診受診といった内容もカバーされていますので、詳しくはがんセミナー来場者へのアンケート調査(アフラック、2011年)をご覧頂ければと思います。