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株式会社ウェルスペントのファイナンシャルプランナー、横田健一です。

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コロナショックという名前が定着してきた感がありますが、ここ連日、株価は乱高下を繰り返しており、心穏やかでない方も多いかと思います。

 

一般的に、株式投資はハイリスク・ハイリターンと言われることが多いのですが、株式投資と一言で言っても、様々なリスクの程度があります。

 

こんな時だからこそ、ご自身の株式ポートフォリオのリスクレベルについて、きちんと確認しておきましょう。

 

ハイリスク・ハイリターン、ローリスク・ローリターン

よく資産運用の基本的な説明で、ハイリスク・ハイリターン、ローリスク・ローリターンということで、次のような図をご覧になられたことがあるのではないかと思います。

 

 

株式や不動産(REIT)といったアセットクラスは高いリターンを期待できるかわりにリスクも高く、

債券といったアセットクラスはリターンはそれほど期待できないもののリスクも低い、

といった説明を読まれたことがあるのではないでしょうか。

 

もちろんこれ自体はその通りなのですが、株式というアセットクラス1つだけに注目しても、ポートフォリオ(ここでは「具体的な構成銘柄」といったニュアンスで使っています)によって、そのリスクは様々なレベルがあるのです。

 

株式投資のリスクもいろいろ

株式投資と言うと、一般的には、日本株式への個別銘柄の投資を思い浮かべる方が多いのではないかと思いますが、ここでは1銘柄だろうと、複数銘柄だろうと、投資信託やETFを利用しての数千銘柄だろうと、株式というアセットクラスを保有することを株式投資と呼ぶことにします。

 

そのように幅広い意味で”株式投資”を捉えた場合(別の言い方をすると、アセット・アロケーションにおいて株式というアセットクラスへ一定割合を配分する場合)、株式と一言で言っても、様々なリスクレベルがあるのではないかと考えています。

 

次の図をご覧ください。

 

 

リスクの度合いに応じて、ここではパターン1(最もリスクが高い)からパターン6(最もリスクが低い)まで、6つのパターンで分類してみました(実際には、外国株式の個別銘柄を複数保有など、いろいろなパターンがあるかと思います)。

 

具体的にご説明していきます。

 

パターン1:持株会のみ(勤め先の株式のみを保有)

1つ目は、会社員の方が、お勤め先の持株会でお勤め先の株式のみを保有している状態です。

 

これももちろん株式投資をしている状態と言えるわけですが、最悪の場合、つまり

お勤め先が倒産!

などという事態に陥った場合、仕事も失い、資産も失ってしまうという非常に高いリスクを抱えている状態と言えるのではないでしょうか。

 

持株会については次の記事でもご説明していますので、ぜひご覧頂ければと思います。

従業員持株会はほどほどにーリスクは分散させるのが基本です

 

パターン2:勤め先と関係ない株式を1銘柄のみ保有

次は、勤め先とは関係ない株式を1銘柄のみ保有している状態です。会社員の方は仕事と資産が分離できている状態になりますので、パターン1と比較すると、リスクを分散している状態になるかと思います。

 

また自営業の方は、基本的にどの銘柄を保有されていてもこの状態になるのではないかと思います(ただし、取引先が特定の上場企業に集中していて、その企業の株式のみを保有している場合は、自営業の方であってもパターン1に近い状態になりますので注意が必要です)。

 

仕事と資産のリスクが重複していないという意味では、まだマシではあるのですが、それでも株式のリスクがある特定の1社のみに依存している状態ですので、資産運用としては好ましい状態とは言えないでしょう。

 

パターン3:日本株式を複数銘柄保有(多くても30銘柄程度まで)

ここからはいわゆる分散投資として、複数銘柄を保有している状態になります。

 

まずは、個別銘柄を複数保有して分散投資を行っている状態です。2~3銘柄なのか、30銘柄くらいなのかでだいぶ幅がありますが、1銘柄集中投資と比べると、いずれも分散されていると言えるのではないでしょうか。

 

ただ、個別銘柄への投資は、投資先企業の業績の影響を受けやすいわけですが、その業績を定期的にチェックしたり、きちんとモニターしようとすると、現実的には多くても20~30銘柄程度になるのではないかと思います。

 

パターン4:日本株式インデックス連動ファンドとして保有

さらに分散を進めていくと、日経平均株価(225銘柄)やTOPIX(約2000銘柄)といった日本株式インデックスに連動するファンド(投資信託やETF)の形で保有するのが現実的な選択肢になるかと思います。

ここまで来ると、かなり分散された状態ですので、個別銘柄のリスクはかなり小さくなっています。

 

なお、日経平均株価やTOPIXについては、以下の記事をご覧頂ければと思います。

日経平均株価(日経225)やTOPIX(東証株価指数)などのインデックスとは?(1)日経平均株価

日経平均株価(日経225)やTOPIX(東証株価指数)などのインデックスとは?(2)TOPIX(東証株価指数)

 

ただし、対象が日本株式だけですと、いくら日本企業のグローバル化が進んできたとは言え、やはり日本経済の影響を受けやすい状態にありますし、日本株式の時価総額は世界(日本+先進国+新興国)の時価総額の8%程度に過ぎませんから、より幅広い分散投資を考えると、必ずしも十分な状態とは言えないのではないかと思います。

 

パターン5:日本株式インデックス連動ファンドに加えて、先進国株式インデックス連動ファンドも保有

日本に加えて海外の株式、中でも先進国(一般的には22ヶ国)の株式インデックスに連動するファンドを保有するようにすると、一気にリスクの分散が進み、さらに世界の時価総額の9割近くをカバーできるようになります。

 

先進国株式インデックスとして、日本で最も普及しているものはMSCIコクサイというインデックスになります。対象国、対象銘柄など、詳細については次の記事をご覧頂ければと思います。

日経平均株価(日経225)やTOPIX(東証株価指数)などのインデックスとは?(3)MSCI Kokusai(MSCI コクサイ)

 

パターン6:世界株式インデックス連動ファンドを保有

日本株式インデックス連動ファンド、先進国株式インデックス連動ファンドに加えて、さらに新興国株式インデックス連動ファンドまで保有すると、世界の主要な株式のほぼすべてをカバーできるようになります。

 

新興国株式インデックスとして、日本で最も普及しているものはMSCIエマージング・マーケットになります。対象国、対象銘柄など、詳細については次の記事をご覧頂ければと思います。

日経平均株価(日経225)やTOPIX(東証株価指数)などのインデックスとは?(4)MSCI Emerging Markets(MSCI エマージング・マーケット)

 

また、インデックスファンドとしては、日本、先進国、新興国とバラバラに3本を保有する必要はなく、日本、先進国、新興国とすべてを時価総額に応じた割合で保有する、つまり、世界株式のインデックスに連動するファンドを保有してしまう、という考え方もあります。

 

その場合は、MSCI ACWIやFTSE Global All Cap Indexといったインデックスに連動するファンドになるのですが、それぞれのインデックスの対象国や対象銘柄等の詳細については次の記事をご覧頂ければと思います。

日経平均株価(日経225)やTOPIX(東証株価指数)などのインデックスとは?(6)MSCI ACWI(MSCI アクイ/オールカントリー)

日経平均株価(日経225)やTOPIX(東証株価指数)などのインデックスとは?(7)FTSE Global All Cap Index(FTSE グローバル・オール・キャップ・インデックス)

 

最後に

今回は、株式というアセットクラスについて、実際にはそのポートフォリオによって、リスクレベルも多岐にわたることを確認しました。

 

今回は取り上げませんでしたが、実際には、外国株式の個別銘柄やアクティブファンド(少数精鋭の銘柄がファンドマネージャーが選定?)といった選択肢もありますので、リスクレベルはもっと細分化されるかと思います。

 

ただ、いずれにしてもお伝えしたかったことは、ご自身のアセット・アロケーションにおいて、株式の割合がどのくらいになっているかに加えて、株式というアセットクラスの構成内容(ポートフォリオ)を改めて確認し、株式の中でも、きちんと分散されているか確認しておくことが大切だということです。

 

連日コロナショックということで様々な報道がされていますが、十分に分散されたポートフォリオになっていれば、一時的な評価損はあるものの、長期的には回復してくると期待できます。ぜひご自身のポートフォリオを再確認してみて頂ければと思います。

 

よろしければ、次の記事もご覧頂ければと思います。

新型コロナウィルスによる株価下落はいつ戻る?~リーマンショック、SARS、MERSとの比較から~(2020年4月20日更新)

新型コロナウィルスの感染拡大への懸念から株価は急落!こんな時に個人投資家として取るべき行動とは?

 

 


皆様の資産形成の一助となれば幸いです。

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