医師と言えば高収入の代名詞とも言える職業かと思いますが、医師になるためには一体どのくらいお金がかかるのでしょうか。
今回は、大学の教育費の中でも、医学部、歯学部、薬学部の教育費について確認します。
幼稚園から高校までの教育費
本題に入る前に、幼稚園から高校までの教育費については、以下の記事をご覧ください。
一般的な大学の教育費
そして、一般的な文系、理系の国公立および私立の教育費については、以下の記事をご覧ください。
医歯薬系の初年度学生納付金
さて、本題の医歯薬系の教育費ですが、今回は文部科学省による「私立大学等の平成28年度入学者に係る学生納付金等調査結果」を参考にしていきます。
まず初年度学生納付金平均額です。これは次の5つの費用の合計になります。
- 授業料
- 入学料
- 施設設備費
- 実験実習料
- その他
「その他」については、文部科学省に問い合わせてみたところ、一般的には「教育充実費」と呼ばれている項目だそうです。
実際に、各大学のウェブサイトを確認してみると、確かに「教育充実費」という名称の費用が説明されていました。
そして、具体的な結果は次の通りです。
私立医学部は国立の約9倍、初年度だけで約721万円です!
私立歯学部も約525万円、私立薬学部は約219万円となっています。
高級車が買えそうな金額になってますね、、、
棒グラフにしてみると、次のようになります。
医歯薬系の6年間の教育費合計
さらに、6年間の教育費合計を確認します。
ここでは、便宜上
入学料 + (授業料 + 施設設備費 + 実験実習料 + その他) ✕ 6
を6年間の教育費合計とみなすことにします
注意:「その他(教育充実費)」などは、毎年納める大学もあれば、2年目以降のみ発生する大学などいろいろあるようですが、ここでは初年度の金額が6年間発生すると仮定します。
結果は次の通りです!
私立医学部は3686万円!
私立歯学部は2869万円!
私立薬学部は1144万円!
ということで、家が買えますね、、、
グラフにすると、次のようになります。
これだけ違ってくると、「自宅から通える私立に行くより、下宿してでも国立」の方が圧倒的に安くなります。
仕送りの平均額は年93万円ということでしたから、6年間だとしても558万円。国立なら教育費350万円ですから、合計しても908万円と1000万円でおつりが来ます。
医師、歯科医師、薬剤師の年収は?
医学部、歯学部、薬学部ともに、一般的な学部と比べるとかなりの学費がかかることがわかりましたが、卒業して無事にそれぞれ医師、歯科医師、薬剤師になったとして、年収はどのくらいなのでしょうか。
「平成29年賃金構造基本統計調査」(厚生労働省)によると、それぞれの平均年収は、
- 医師 1233万円
- 歯科医師 757万円
- 薬剤師 525万円
となっています。
(ここでは、「平均年収」=「きまって支給する現金給与額」 ✕ 12 + 「年間賞与 その他特 別給与額」として算出しています)
さらに、企業規模別のデータを確認してみます。興味深いことに、医師は中規模、小規模の方が大規模よりも平均年収は1.5倍くらい高くなっています。やはり開業医の方が勤務医よりも年収が高いということなのでしょうか。
この傾向は、歯科医師、薬剤師にも当てはまり、大規模より小規模、小規模より中規模、ということで、中規模で働いている方の年収が最も高くなっています。
最後に
いかがでしたでしょうか?
国立ならまだしも、私立医歯薬系にお子様を通わせるには相当な覚悟が必要なことがわかりました。
まあ、覚悟が必要ない方のみが通わせているのかもしれませんが、、、