2017年12月に公表された「平成28年度子供の学習費調査(文部科学省)」の最新データを使って、幼稚園から高校までの教育費事情を確認するシリーズの最終回、今回は、学習塾などの費用である補助学習費の実態に迫ってみたいと思います。
なお、調査データ上は、「学習費」という言葉が使われていますが、本記事内では、より一般的と思われる「教育費」も同じ意味で使っています。
補助学習費(学習塾などの費用)の金額分布
学習塾などの費用である補助学習費がどのようになっているか確認してみます。
まず、表の見方ですが、表の一番下に載っているのが、補助学習費を1円も支出していない世帯を除いて、1円以上支出している世帯についての平均支出額です(単位は万円)。
支出者平均額(年額)は、私立小学校が最も高く30.9万円、次に私立高校の25.8万円、さらに公立中学校の25.5万円となっています。
次に、表のまん中部分ですが、例えば、
- 公立小学校で補助学習費に10万円以上20万円未満支出した世帯は全体の13.1%
- 私立高校で補助学習費に1万円以上5万円未満支出した世帯は全体の22.9%
といった具合で、各ご家庭でどのくらい補助学習費として支出したかという割合になります。
大半のご家庭では、補助学習費は年間30万円以下くらいになっている様子がわかります。
ただ、中には、年間90万円以上支出している世帯もあり、私立小学校や私立高校では、それぞれ7.5%、6.1%いらっしゃるようです。
私立ですからただでさえ授業料などの学校教育費が高いわけですが、さらに学習塾などの補助学習費にこれだけ使われているようです。
学習塾に年間90万円以上もかかるって、本当?
年間90万円以上も、学習塾などの補助学習費に使っているご家庭があるようですが、これはどれほど現実的なのでしょうか。
具体例で確認してみます。
こちらのグラフは、適正な授業料へのこだわり(啓明舎ホームページより)から引用させて頂いております。
この塾では、小学校6年生では約99万円ということで、他の塾(首都圏中学受験塾)の111~139万円と比べて、リーズナブルということを説明されているようですが、それでもほぼ100万円という金額です。
これは首都圏だけなのかもしれませんが、中学受験準備で、小学校6年生でかかる学習塾の費用は、有名塾に行く場合100万円を超えてくるというのが現実なようです。
年間100万円とすると、月額8万円強ということで、かなりの負担であることは間違いないでしょう。
教育費は、よく「大学での学費に向けて準備しましょう」と言われることがありますが、「小学校6年生に向けて準備しましょう」というのも大切かもしれません。
なお、ここではたまたま啓明舎のホームページから引用させて頂きましたが、本記事は、啓明舎に対する何らかの意見等ではございませんので、その点あしからずご了承頂ければと思います。
最後に
4回に分けて「教育費の最新事情」を取り上げてみましたが、いかがでしたでしょうか?
「できるだけいい教育を受けさせてあげたい」というのが親心かと思いますが、一方で、各ご家庭のご事情もあるかと思います。
ある程度の予算を決めた上で、最も有効だと思うものから、優先的にお金を使うようにしていくなど、メリハリをつけていくことが大切になってくると思います(これが簡単ではないかもしれませんが、、、)。
「平成28年度子供の学習費調査(文部科学省)」では、今回ご紹介したデータ以外にも、いろいろ掲載されていますので、ご興味のある方は直接ご覧頂ければと思います。