資産形成ハンドブックでは、無料・登録不要で使えるお金のツールを21本公開しています(2026年8月時点)。この記事ではそのうちの1本、「ファイナンシャル・ウェルビーイング診断」をご紹介します。
お金のことが、なんとなく不安。多くの方が抱えている感覚ではないでしょうか。
ただ、その不安がどこから来ているのかまでは、意外とわからないものです。毎月のやりくりが苦しいのか、急な出費に備えがないのか、老後の見通しが立たないのか。原因が違えば、打つべき手も変わります。この診断は、その在りかを4つの視点に分けて見つけるためのものです。

ファイナンシャル・ウェルビーイングは、4つの視点でできています
聞き慣れない言葉かもしれません。日本語にすれば「お金の面での幸福な状態」といったところです。米国の消費者金融保護局(CFPB)が2015年に示した定義がよく使われており、この診断もそれを土台にしています。
この定義では、2つの軸で考えます。ひとつは安心感、もうひとつは選択の自由度。それぞれに現在と将来があるので、掛け合わせると4つの視点になります。
- 家計管理(安心感×現在)── 毎月のやりくりが回っているか
- ショック対応(安心感×将来)── 急な出費や収入の減少に耐えられるか
- 将来見通し(選択の自由度×将来)── これから必要なお金の見通しが立っているか
- 選択肢(選択の自由度×現在)── いま、お金の面で選べる状態にあるか
この4つは、お金が増えれば必ず一緒に上がるとは限りません。貯蓄はあるのに毎月のやりくりが苦しい方もいれば、家計は回っているのに将来の見通しだけが真っ暗な方もいます。だから、それぞれを分けて見る意味があるのです。
16問に答えるだけ。2分ほどで終わります
診断は16問。4つの視点につき4問ずつです。
「家賃・住宅ローン・カード・光熱費などの支払いは、期日までに問題なくできている」といった文章に対して、とてもあてはまる/ややあてはまる/どちらともいえない/あまりあてはまらない/まったくあてはまらないの5段階から選びます。深く考え込まず、直感で選んでいただいて大丈夫です。

年齢も職業も年収も聞きません。ページを開いたらすぐ始められて、2分ほどで終わります。
結果は、総合レベルと4視点のスコアで出ます
16問に答え終えると、まず総合のレベルが5段階で表示されます。あわせて、4つの視点それぞれのスコアも出ます。
見ていただきたいのは、総合レベルより4つのバランスのほうです。どこが低いかがわかれば、次に何をすればよいかが自然と決まってきます。ショック対応が低いなら生活防衛資金や社会保険への理解、将来見通しが低いならライフプランシミュレーション、といった具合です。

あわせて「あなたのタイプ」も表示されます。4つの視点を「安心感」と「選択の自由度」の2つの軸にまとめると、その組み合わせで4つのタイプに分かれます。点数だけではつかみにくい「どちら側に寄っているか」が、言葉で示されます。
このツールならではの、2つの気づき
ここからは、他の診断テストではあまり見かけない2つの機能をご紹介します。
16問すべて、種明かしします
結果画面では、どの設問がどの視点を測っていたのかを、16問すべて開示しています。
診断テストは、採点の中身を伏せているものがほとんどです。ただ、伏せられたままだと「なぜこの結果なのか」がわからず、次の行動につながりません。
種明かしを見れば、自分がどの設問に低い答えを付けたせいでその視点が下がったのかまでたどれます。下がった原因が1問だけなのか、4問とも低いのかでは、意味がまったく違います。そこまで見ていただきたいと考え、すべて開示しています。

診断して終わり、にはしません
診断テストの多くは、結果を出したところで終わります。ただ、レベルが3だったとわかっても、では何をすればよいのかがわからなければ、そこで止まってしまいます。
このツールでは、結果の下にファイナンシャル・ウェルビーイングを高めるための4つのステップを用意しました。さらに各ステップには、資産形成ハンドブックの関連するツールへの入口を置いています。

将来見通しが低かった方はライフプランシミュレーターへ、家計管理が気になった方は家計のバランスシート診断へ。いちばん点数の低かったステップが自動で開いていますので、低かった視点から、そのまま次の作業に進めます。診断はあくまで入口であって、目的ではないと考えているためです。
年収も、資産額も聞いていません
16問のなかに、年収や貯蓄額を尋ねる設問はひとつもありません。同年代の平均と比べる機能もあえて付けていません。
ファイナンシャル・ウェルビーイングは、お金の多さでは決まらないからです。収入が高くても不安が消えない方はいますし、収入がそれほど多くなくても、必要なときに必要な選択ができていて穏やかに暮らしている方もいます。この診断が測っているのは金額ではなく、お金との関係のほうです。
他人と比べた順位が上がっても、不安は減りません。見ていただきたいのは、順位ではなく、ご自身の4つの視点のバランスのほうなのです。
まとめ
- 16問・約2分で、お金の不安が4つの視点のどこにあるかがわかります
- 16問すべての種明かしがあるので、結果の理由までたどれます
- 低かった視点から、次に使うツールへそのまま進めます
お金は、それ自体が目的ではありません。限られたお金と時間を、自分にとって有意義なことに使う。そのために、いまどこに引っかかりがあるのかを知る。この診断は、その最初の一歩としてお使いいただければと思います。
皆様の資産形成の一助となれば幸いです。
※本診断は、一般の方に気軽にお試しいただくための簡易的なものです。学術的な尺度として妥当性を検証したものではありません。4つの視点の考え方は、CFPB(米国消費者金融保護局)2015年の報告書 “Financial well-being: The goal of financial education” にもとづいています。