こんにちは!

株式会社ウェルスペントのファイナンシャルプランナー、横田健一です。

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「ふるさと納税という言葉を聞いたことはあるよ!」

という方は比較的多いと思うのですが、

「実際にやってるよ!」

という方は実はそれほど多くないのではないでしょうか。

 

実際、令和2年度のふるさと納税利用者数(控除適用者数)は約406万人(令和2年度ふるさと納税に関する現況調査)となっています。現在の日本の人口が約1億2588万人であることを考えると、単純計算で、利用率は約3.2%ということになります。

(ちなみに、東京都に限ると人口1,398万人に対して、ふるさと納税利用者数が約84万人ということで、利用率は約6.0%と全国平均の2倍になっているようです)

 

もちろん働いていなくて所得がない方(例えば、お子様や高齢者の方)も総人口には含まれますので、全員が利用できるというわけではありませんが、それにしても、まだ利用率は低そうですね。

 

今回は、初めてふるさと納税をやってみよう、という方に向けて、ふるさと納税の基本についてご説明させていただきます。

 

なお、本記事は基本的に、以下の総務省 ふるさと納税 ポータルサイトを参考に作成しています。

総務省 ふるさと納税 ポータルサイト

 

ふるさと納税とは?

ふるさと納税とは?

 

概要

ふるさと納税は、自分の選んだ自治体に寄附(ふるさと納税)を行った場合に、寄附額のうち2,000円を越える部分について、所得税と住民税から原則として全額が控除される制度です。

そして、寄附をした自治体からは返礼品が送られてくることが一般的です。

つまり、実質的な自己負担額が2,000円で、何らかの返礼品を受け取ることができるわけです。

 

ちなみに、ふるさと納税という名称にはなっていますが、実際には「納税」ではなく、「寄附」になっているわけですね。

 

控除額

その年の所得税および住民税から控除される金額は、次の3つの部分に分けられます。

①所得税:(ふるさと納税額-2,000円)を所得控除
②住民税(基本分):(ふるさと納税額-2,000円)✕10%を税額控除
③住民税(特例分):(ふるさと納税額-2,000円)✕(100%-10%-所得税率)を税額控除

 

これだけだと分かりづらいと思いますので、下の方でご説明する具体例でご確認いただければと思います。

 

手続き

実際に所得税や住民税から控除されるためには、ふるさと納税をした翌年に確定申告を行うことが必要(原則)です。

 

ただし、確定申告が不要な給与所得者等でふるさと納税先が5団体以内の場合のみ、ワンストップ特例と呼ばれる制度もあります。

 

ふるさと納税「制度の概要」より

 

返礼品

ふるさと納税として寄附を受け取った自治体は、お礼として返礼品を送ってくれるのが一般的ですが、現在、この返礼品は寄附額の3割以下ということになっています。

 

 

返礼品としては、多くの自治体で地域の名産品などを頂くことができるので、お米やお肉など食料品、その自治体への旅行券など、間接的に生活費の節約につなげることが可能になります資産形成の観点からは、ココがおトクなポイントです!

 

 

(ご参考)

返礼品を受け取れるからおトクだ!

ということで、より魅力的な返礼品を求めてふるさと納税をする方が増え、

一方自治体の方ももっと魅力的な返礼品を!

ということで、返礼品競争が過熱していきました。

 

その結果、「平成29年通知」により

「地方団体間の競争が過熱しているほか、一部の地方団体においてふるさと納税の趣旨に反するような返礼品が送付されているなどの指摘がなされてい」

るということで、

「制度の趣旨に沿った責任と良識のある対応を厳に徹底するようお願いします。」

という通知が行われ、現在では、寄附額に対する返礼品の調達価格の割合は3割以下とされています。

 

一方で、最近では、自然災害などの被災地支援や、新型コロナウイルス感染症に関する対策・支援ということで、返礼品がない形のふるさと納税も行われています。

見返りを期待しない、文字通り「寄附」という行為になるかと思います。

 

ふるさと納税を行わなければ、基本的にご自身がお住まいの自治体に納税することになるわけですが、ふるさと納税を実行することで、そのうちの一部を、応援したい、支援したい自治体にご自身の意志で振り向けるということも可能になるわけです。

 

税制

税制上、返礼品については一時所得に該当にします。

 

ただし、一時所得の金額は

 

一時所得の金額 = 総収入金額 ー 収入を得るために支出した金額 ー 特別控除額(最高50万円)

 

という式で計算され、特別控除額(最高50万円)を上回る返礼品を受け取らない限りは非課税となります。

 

ご参考: 国税庁タックスアンサー No.1490 一時所得

 

具体例(ふるさと納税額が控除される仕組み)

ふるさと納税した金額(正確にはそこから2,000円引いたもの)が所得税や住民税からどのように控除されるのか、具体例で確認してみたいと思います。

 

年収700万円の給与所得者(夫婦子なし)が、30,000円のふるさと納税した場合を考えてみましょう。

 

年収700万円の給与所得者(夫婦子なし)が、30,000円のふるさと納税をすると、2,000円を除く28,000円が控除

 

①所得税からの控除額は、この方の所得税率が20%となるので、

(ふるさと納税額-2,000円)✕所得税率

= (30,000円-2,000円)✕20%

= 5,600円

となります。

 

②次に、住民税からの控除額(基本分)は、住民税率が10%ですので、

(ふるさと納税額-2,000円)✕10%

= (30,000円-2,000円)✕10%

= 2,800円

となります。

 

③最後に、住民税からの控除額(特例分)というものがあり、これは

(ふるさと納税額-2,000円)✕(100%-10%-所得税率)

= (30,000円-2,000円)✕(100%-10%-20%)

= 19,600円

となります。

 

①~③を合計すると、

5,600円 + 2,800円 + 19,600円 = 28,000円

となり、これはふるさと納税額である30,000円から2,000円を控除した金額に一致するわけです。

 

では、ふるさと納税額はいくらでもできるのか、というとそうではありません。

 

というのは、上記③の住民税からの控除額(特例分)には、所得に応じて上限が決められているため、自己負担2,000円でふるさと納税ができる金額にも上限があるのです。

 

次にその上限金額を確認してみましょう。

 

全額控除されるふるさと納税額(年間上限)の目安

ふるさと納税から2000円を控除した金額が全額控除されるような、ふるさと納税額の上限としては、給与収入と家族構成によって、以下のような水準となっています。

 

全額控除されるふるさと納税額(年間上限)の目安(円)

 

例えば、独身で年収400万円の方であれば、目安は42,000円となっています。つまり、自己負担2,000円で、最大12,600円(=42,000円✕3割)程度の返礼品を受け取ることができるというわけです。

 

同様に、共働き夫婦で大学生のお子さんが1人いるご家庭の場合、年収800万円の方であれば、目安は116,000円となっています。つまり、自己負担2,000円で、最大34,800円(=116,000円✕3割)程度の返礼品を受け取ることができるというわけです。

 

全額控除されるふるさと納税額の目安について、もう少し詳しく知りたい方は、以下のサイトでご確認ください。

全額控除されるふるさと納税額(年間上限)の目安(総務省 ふるさと納税 ポータルサイト)

 

(また、次にご紹介する民間のふるさと納税ポータルサイトでは、上限額のシミュレーションができますので、そちらもご活用いただければと思います)

 

ふるさと納税のポータルサイト

実際にふるさと納税を行う際に便利なのが、ふるさと納税のポータルサイト(総務省のものではなく、民間で運営されているポータルサイト)です。

 

全国の様々な自治体についてのふるさと納税に関する情報が集約されていますので、寄附金の使いみちや返礼品など、比較しながら選び、ふるさと納税の手続きまで完結することができます(確定申告は別途必要です)。

 

また所得などの情報からより正確なふるさと納税の上限額をシミュレーションできたり、マイページなどでご自身の寄附の履歴を管理したりできるので、とても便利です。

 

ここでは取り扱い自治体数が比較的多い4つのポータルサイトをご紹介しておきます。

 

ふるさとチョイス

ふるなび

楽天ふるさと納税

さとふる

 

 

ということで、まだふるさと納税を利用されたことがない方は、これを機にぜひ利用されてみてはいかがでしょうか。

 


皆様の資産形成の一助となれば幸いです。

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