【本記事は2020年10月、2020年3月、2019年8月、2019年3月、2018年11月に最新の情報を反映するため更新しています】
資産形成ハンドブックでは、世界の株式に幅広く分散して長期的に投資していくことで、平均的には5%程度の利回りを実現することが可能だと考えています。
本日は、資産形成ハンドブックの独断による長期投資で利回り5%程度を実現するためのオススメ投資信託をご紹介致します。
つみたてNISAで世界の株式に幅広く投資する方法
つみたてNISAを利用して世界の株式に幅広く投資する方法については、以下の4回でその考え方をご説明しておりますので、よろしければ併せてご一読頂ければと思います。
投資信託を選ぶにあたっての基本的な考え方
今回オススメする投資信託を選ぶにあたっての基本的な考え方をご説明します。
世界のGDPはこれまで多少の波はあるものの、以下のように成長を続けてきました。これは、人口が増加してきたことと、人々がよりよい生活を求めて経済活動を行ってきた結果だと思います。
株価は、リーマンショックのように短期的には大きく下落することはあっても、GDP自体が前年比5割減などということはまずないでしょう。
というのも、人口が増え続けているというのもありますが、いくら不況になったからといって、人々は急に、
- 今まで一日3回取っていた食事を1回にしたり、
- 電車通勤していたのを、電車代節約のために徒歩通勤にしたり、
- 家賃が半額の家に引っ越したり、
- インターネットの通信量を半分にしたり、
といった行動に出ることはしないからです。
GDPの話は以下の記事でご説明していますので、あわせてご覧頂ければと思います。
https://shisankeisei.jp/investment-for-building-wealth/economy-gross-domestic-product/
ということで、今回の投資信託の選択にあたっては
今後も世界の経済活動は人口増加とともに持続的に拡大、成長をしていくのではないか。だとすれば、世界の株式に幅広く分散して投資していくのがよいだろう
という考え方がベースになっています。
あとは、同じ世界の株式に投資するとしても、運用管理費用ができるだけ低く、純資産額(運用資産残高)がそこそこ大きいという点を考慮に入れています。
世界の株式に幅広く投資する3つのパターン
投資信託を利用して世界の株式に幅広く投資する方法としては、大きく分けて以下の3つのパターンになります。
- 「世界株式」に投資する投資信託を1本選ぶ
- 「日本株式」、「日本を除く先進国と新興国の株式」に投資する投資信託をあわせて2本選ぶ
- 「日本株式」、「日本を除く先進国株式」、「新興国株式」に投資する投資信託をあわせて3本選ぶ
「投資はとにかくシンプルに済ませたい!」という方はパターン1がいいでしょう。
一方、運用管理費用(信託報酬)などの手数料を少しでも下げるために投資信託を組み合わせて利用したい、という方はパターン2やパターン3がオススメです。
また、海外株式は詳しい情報が得られないのでインデックスファンドでいいけど、日本株式については自分で銘柄を選ぶ個別株投資でやってみたいといった方もパターン2かパターン3になるかと思います(その場合は、日本株式部分に個別銘柄が含まれることになります。また一部をアクティブファンドにしてみたい、という方もいらっしゃるかと思います)。
では、それぞれのパターンに応じた、2018年6月時点のオススメ投資信託をご紹介致します。
なお、ご紹介する投資信託は、まだ運用開始してからあまり時間が経っておらず、運用実績が十分判明していないものも含まれています。
今後の実績を見ながら、このリストは適宜見直していきたいと思いますので、その点はご理解頂ければと思います。
パターン1:「世界株式」に投資するオススメ投資信託
以下のいずれか1本を選ぶのがよいでしょう。
eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)(運用管理費用 年率0.1144%(税込))
この投資信託1本で、世界(日本、先進国、新興国の計49カ国)の株式約2,994銘柄、時価総額で上位約85%に分散投資することができます。
楽天・全世界株式インデックス・ファンド(運用管理費用 年率0.212%程度(税込))
この投資信託1本で、世界(日本、先進国、新興国の計49カ国)の株式約9,049銘柄、時価総額で上位約98%に分散投資することができます。
パターン2:「日本株式」、「日本を除く先進国と新興国の株式」に投資するオススメ投資信託
この場合、時価総額の比率にあわせて、
「日本株式:日本を除く先進国と新興国の株式」 = 「8 : 92」 もしくは 「1 : 9」
の比率で投資するのがオススメです(ただし、この比率は時間の経過とともの変化していくことになります)。
日本株式
eMAXIS Slim国内株式(TOPIX)(運用管理費用 年率0.154%以内(税込))
<購入・換金手数料なし>ニッセイTOPIXインデックスファンド(運用管理費用 年率0.154%以内(税込))
これらの投資信託1本で、日本の株式約2,174銘柄に分散投資することができます。
日本を除く先進国と新興国の株式
eMAXIS Slim全世界株式(除く日本)(運用管理費用 年率0.1144%以内(税込))
野村つみたて外国株投信(運用管理費用 年率0.209%(税込))
これらの投資信託1本で、日本を除く世界(先進国、新興国の48ヶ国)の株式約2,674銘柄、時価総額で上位約85%に分散投資することができます。
パターン3:「日本株式」、「日本を除く先進国株式」、「新興国株式」に投資するオススメ投資信託
この場合も、時価総額の比率にあわせて、
「日本株式 : 日本を除く先進国株式 : 新興国株式」 = 「8 : 80 : 12」 もしくは 「1 : 8 : 1」
の比率で投資するのがオススメです(ただし、この比率は時間の経過とともの変化していくことになります)。
日本株式
eMAXIS Slim国内株式(TOPIX)(運用管理費用 年率0.154%以内(税込))
<購入・換金手数料なし>ニッセイTOPIXインデックスファンド(運用管理費用 年率0.154%以内(税込))
これらの投資信託1本で、日本の株式約2,174銘柄に分散投資することができます。
日本を除く先進国株式
eMAXIS Slim先進国株式インデックス(運用管理費用 年率0.1023%以内(税込))
<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンド(運用管理費用 年率0.1023%以内(税込み))
これらの投資信託1本で、日本を除く先進国22ヶ国の株式約1,287銘柄、時価総額で上位約85%に分散投資することができます。
新興国株式
eMAXIS Slim新興国株式インデックス(運用管理費用 年率0.1870%以内(税込))
<購入・換金手数料なし>ニッセイ新興国株式インデックスファンド(運用管理費用 年率0.2079%以内(税込))
これらの投資信託1本で、新興国26ヶ国の株式約1,387銘柄、時価総額で上位約85%に分散投資することができます。
パターン4:「日本を除く先進国と新興国の株式」または「日本を除く先進国株式」に投資する投資信託1本に投資する
基本は上述の3パターンなのですが、
できればシンプルに投資信託は1本で済ませたい、でも、「世界株式」に投資する投資信託は、他のものと比べて運用管理費用が少し高そうに見える、、、
そんな風に感じる方もいらっしゃるかもしれません。
そういった方は、パターン2やパターン3でオススメした投資信託の中から「日本を除く先進国と新興国の株式」または「日本を除く先進国株式」に投資する投資信託を1本選び、それに投資するという考え方もありだと思います。
いずれも日本株式は含まれない形になりますが、これらの投資信託は世界の時価総額の8~9割程度をカバーしていますので、世界株式の近似解としては十分アリだと考えています。
ということで、オススメ投資信託のご紹介でした。
補足
eMAXIS Slimシリーズは、他社の類似ファンドでより信託報酬の低いものが出てきた場合には、以下のように、常に業界最低水準を目指し続けることをうたっています。
『eMAXIS Slim(イーマクシス スリム)』は、他社類似ファンドの運用コストに注意を払い、機動的に信託報酬を引き下げることによって、今も、そしてこれからも業界最低水準を目指し続けるインデックスファンドです。
また、パターン2やパターン3で、時価総額にあわせて比率を決める部分については以下の記事でご説明しておりますので、よろしければご覧頂ければと思います。