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1万円払うと5万円もらえる取引があったら、取引しますか?

投稿日:

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1万円払うと5万円もらえる取引があったとします。

みなさんはこの取引をするでしょうか?

 

ただし、1万円を払わないで4万円だけもらいたい、と言っても、取引は成立しません。必ず1万円を払う必要があります。

 

さて、みなさんはどうされますか?

 

 

一般的に、金融商品やコンサルティングサービスには必ず手数料や報酬が発生しますが、それらを支払わない限り、金融商品やコンサルティングから得られる対価である経済的価値(一般的には、付加価値)を獲得することはできません。

 

金利5%の定期預金があったら?

(現在の市場環境では現実的ではありませんが、)例えば、金利5%の定期預金があったとします。

ただし、この定期預金を提供している銀行の口座を開設し、口座に残高を持ち続ける場合、残高の1%が口座手数料として発生するとします。

 

つまり、100万円をこの定期預金に預けると、1年後には金利で5万円受け取れる(税金は考慮せず)ことになるわけですが、一方で、1年間で1万円の口座手数料を支払わなければならない、というわけです。

 

手数料を1円たりとも払いたくない、と考える人は、手数料が発生しない他の銀行口座で、0.02%程度の定期預金に預けるかもしれません。

 

しかし、手数料が1%かかったとしても、5%の利子が受け取れるということは、差し引き4%受け取れるなら得だよな、と考える方は、この手数料を払ってでも喜んでこの高い手数料のかかる定期預金を利用することでしょう。

 

期待リターン5%のインデックスファンドなら?

次にもう少し現実的な例を考えてみます。

 

世界株式のインデックスファンド(インデックス型の投資信託)は、一般的に期待リターンが5%程度と言われています(過去の実績や今後の見通しなど)。

ただし、利回りは確定しているものではなく、あくまで20年、30年などの長期にわたって保有し続けた場合、振り返ってみると平均利回りが5%くらいになりましたね、という話です。

 

このインデックスファンドの保有コスト(信託報酬など)が年率1%だったとしましょう。

みなさんはこのインデックスファンドに投資しますか?

 

1%という手数料水準が高いからイヤだ!という方もいらっしゃるかと思いますが、筆者は、世の中にこの商品しかないのであれば、喜んで投資します。

 

というのは、期待リターンが5%程度に対して、保有コストは1%ということで、差し引き4%程度のリターンが期待できるからです。

 

この年率1%の保有コストを支払いたくないがために、0.001%の預金にお金を眠らせておく方がよほどもったいないのではないでしょうか。

 

(ただし、インデックスファンドを通じて株式という資産に投資することの意味をきちんと腹に落とせてなく、株式投資ってギャンブルでしょ?的な理解をされている場合は、このような行動を取るのは難しいかもしれません。ある程度は勉強したり、経験しながら、時間をかけて理解していくことが必要かと思います)

 

商品性がまったく同じであれば手数料は安いに越したことはない!

上では、「世の中にこの商品しかないのであれば」と条件をつけましたが、同一の世界株式インデックスに連動するように設計されたインデックスファンドが2つあったとしましょう。

つまり次のような例です。

  • インデックスファンドA 期待リターン 5% 保有コスト 1%
  • インデックスファンドB 期待リターン 5% 保有コスト 0.1%

 

ファンドAは上の例と同じ保有コストが1%ですから差し引き4%程度の期待リターンになりますが、ファンドBは保有コストが0.1%ですから期待リターンは4.9%程度になります。

 

同じ商品性なのであれば、筆者は間違いなくファンドBを選ぶと思います。

 

金融商品には複雑なものも多く、同じ商品性かどうかを厳密に判断するのが容易でない事例もあります(例えば保険商品など)が、インデックスファンドについて言えば、比較しやすい商品かと思います。

 

手数料は水準だけではなく、得られる経済的価値との比較で考えましょう!

手数料が高いものはけしからん!というご意見の方もいらっしゃるようですが、あくまで得られる経済的価値との比較感が重要になってくると思います。

 

例えば住宅ローンの金利を一切払いたくないので、現金一括で払えるまではマイホームは買わない、という方がいたとします。

30歳から賃貸住宅に住みながらお金を貯め始めて、65歳で退職金を受け取った時点で、それまでの貯蓄とあわせてマイホームをローン無しで購入!というイメージです。

 

これは極端な例ですが、マイホームは人生の30歳から65歳の間に住むことにも大きな価値があるでしょうから、住宅ローンに関連する金利や諸費用を払ったとしても、人生の住みたい時期に住むことが重要になってくると思います(これは様々なお考えがあるかと思いますので、押し付けるつもりはございませんが)。

 

いずれにしても、見た目の手数料に引きづられて、実はオトクな取引やコンサルティングサービスがあることを見逃してしまうのはとてももったいないと思います。

 

商品性や手数料についてきちんと理解した上で、自分にとって有利になりそうなものはしっかり利用していくことが資産形成においては重要だと考えています。

 

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筆者プロフィール

株式会社ウェルスペント 代表取締役
ファイナンシャルプランナー

横田 健一

Yokota Kenichi

横田 健一

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