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最新の世界の株式時価総額(MSCI 浮動株基準、2022年12月)~時価総額は9.2%回復。米国大手IT企業の存在感低下~

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資産形成ハンドブックでは、以下の記事でもご説明していますが、資産形成していく際にリターンを求めて投資する先としては、世界の株式に幅広く投資していくのがよいと考えています。

 

 

一般的に、世界の投資対象を地域の観点で分類する際には、日本、先進国、新興国といった形で整理されることが多いのが現状です。

 

そこで、日本、先進国、新興国のそれぞれの株式に投資することを念頭に、それぞれの割合(浮動株基準時価総額ベース)がどのようになっているか、最新の状況を確認しておきたいと思います。

 

 

「そもそも時価総額って?」という方は、まず以下の記事に目を通して頂ければと思います。

 

MSCI株式インデックスの対象国

本記事で対象としているのは、MSCI社が算出している株式インデックスですが、その構成国一覧を整理しておくと、次のようになっています。

 

 

ACWI(オール・カントリー・ワールド・インデックス)が先進国と新興国のすべて、そして、先進国と新興国についてはそれぞれのインデックスが算出されています。

  • MSCI ACWI(オール・カントリー・ワールド・インデックス):先進国、新興国を対象とする47ヶ国
    • MSCIワールドインデックス:日本を含む先進国23ヶ国
      • MSCIジャパン:日本のみ
      • MSCIコクサイ:日本を除く先進国22ヶ国
    • MSCIエマージング・マーケット・インデックス:新興国24ヶ国

 

2022年9月末における世界の株式時価総額

まずは3ヶ月前の、2022年9月末の状況です。

 

 

これを見ると、

日本(Japan):先進国(Kokusai):新興国(Emerging Markets) = 5.4 : 83.5 : 11.1 ~ 5 : 84 : 11

となっていることがわかります。

 

 

2022年12月末における世界の株式時価総額

次に、最新の2022年12月末の状況です。

 

これを見ると、

日本(Japan):先進国(Kokusai):新興国(Emerging Markets) = 5.6 : 83.2 : 11.2 ~ 6 : 83 : 11

となっていることがわかります。

 

前回9月末と比べると、変動は小さめですが、日本を除く先進国が低下し、その分、日本と新興国が上昇しています。特に米国は1.6%低下していますので、米国の低下が大きかったことがわかります。

 

ちなみに、銘柄数は全体で2,900銘柄から2,885銘柄へと、前回と比較して15銘柄減少(日本 -1、先進国 -4、新興国-10)しています。

 

とは言っても、合計2,885銘柄となっており、分散投資という観点では、これだけ幅広く投資できれば十分ですね!

今なら1本の投資信託で、このように3,000銘柄近くに手軽に分散して投資することが可能です(投資信託によっては約9,000銘柄のものも)。

 

毎回書いてますが、本当にいい時代になりました!

 

MSCI ACWI(オール・カントリー・ワールド・インデックス)の構成銘柄トップ10

日本、先進国、新興国をすべて合わせたMSCI ACWI(オールカントリーワールドインデックス)の構成銘柄上位10銘柄を確認していきます。

 

まず前回3ヶ月前は以下の通りです。

 

MSCI ACWI(オールカントリーワールドインデックス)の構成銘柄上位10社(2022年9月末):MSCI ACWI factsheetより

 

そして、今回の2022年9月末は次のようになっています。

 

MSCI ACWI(オールカントリーワールドインデックス)の構成銘柄上位10社(2022年12月末):MSCI ACWI factsheetより

 

3ヶ月前と比べると、以下のようなことがわかります。

  • 上位10社の顔ぶれは、TESLAが消え、代わりにJPMORGAN CHASE & COが入った。
  • 上位10社の時価総額(Float Adj Mkt Cap)合計は約7.8兆ドルと、6.8%ほどの減少
  • 上位10社の占める割合は16.24%から13.86%へと2.4%低下
  • APPLEのウェイトが4.34%から3.71%へと大幅に低下

 

ということで、米国大手IT企業の存在感が大幅に低下したことがわかります(GAFAMでもいいのですが、Fはすでに圏外なので、このような表記にしておきます)。

 

2018年4月以降について、上位10社のシェアを見ると、今回は大幅に低下しており、2020年3月の水準まで戻ってしまっていることが確認できます(折れ線グラフが、全時価総額に対する上位10社の時価総額の割合です)。

 

これを見て、「GAFA(M)は終わった!」などと決めつける必要はなく、「長期的には上がったり下がったりするもんだ」とゆったり構えながら、幅広く分散投資していくのがよいと考えています。

 

2022年12月末までのMSCI浮動株基準時価総額の推移

2018年3月末以降の推移を四半期ごとに見ると以下のグラフのようになっています。

 

基本は時価総額の変動に任せて時価総額ベースで保有していればよいと思いますが、この記事を読まれている方でお仕事をされている方は、ほとんどの方が日本でお仕事をされ、日本円を稼いでいるかと思います。

 

そういった方は、以下の記事で紹介したような考え方で、保有されている金融資産はあえて日本以外を少し多めに、というのも一つの考え方になります(ちなみに、「日本人だから日本株式だけに投資する」というのはオススメ致しません!)。

 

日本経済の成長が期待しづらい中、自分の時間を使って働く収入も(各個人で事情は異なると思いますが、一般論で言えば)増加が見込みづらいかと思いますので、せめて自分のお金には海外で働いてもらうことで全世界並みの成長を享受していきたいところです。

 

また、最近の円安、インフレという面からも、日本円だけの資産を保有しているというのは、購買力を維持、向上させていくという観点からは、おすすめできません!

そして、この観点からは「為替ヘッジなし」が基本になります!

 

次に、時価総額の絶対水準をグラフにすると次のようになります。

 

 

9月末の約51.5兆ドルから回復し、12月末には約56.2兆ドルまで戻っています。

 

一喜一憂せず、長期的にゆったりどっしり資産形成していきましょう!

 

フツーの人にとってのリスク資産は全世界株式インデックスファンド1本でOK!

アセットアロケーションに正解はない、と言われることもありますが、資産形成ハンドブックでは、リスク資産(リスクをとって高めのリターンを期待して保有する資産)については

全世界の株式を時価総額ベースで保有する

というのが基本的な考え方になると考えています。

 

もっと高いリターンを!と追求し始めるとキリが無くなります。また、そのための時間やお金といった負担が大きくなってしまいます。

資産形成に手間をかけたくないフツーの人なら、

全世界株式を対象とした時価総額ベースで低コストのインデックスファンド一本でよい

と思います。

 

個人個人で取れるリスク量が異なると思いますが、そのあたりは、

安全資産(預貯金などの元本保証商品)とリスク資産(主に株式を対象とした投資信託)の配分比率で調整すればよい

と考えています。なお、この考え方はトービンの分離定理と言われるものです。

 

ご参考としていただけましたら幸いです。

 

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横田 健一 著

筆者プロフィール

株式会社ウェルスペント 代表取締役
ファイナンシャルプランナー

横田 健一

Yokota Kenichi

横田 健一

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