日本人が資産形成で株式投資していく際には、一般的に株式と言えば「まずは日本株式」と考える方が多いのではないでしょうか。
日本人だからこそ日本株式をできるだけ持たないようにする(日本株式アンダーウェイト)、そんな考え方はいかがでしょう?
リスクは分散させましょう
昨日の記事では、従業員持株会での積み立てはほどほどにしておきましょう、とご説明しました。
この考え方の元になるのは、リスクを分散させておきましょう、ということです。
- 多くの方にとっては主な収入である勤め先からの給与や賞与(収入のリスクが勤め先の会社に集中)
- そして手元に残ったお金から積み上げていった資産の中にその勤め先の株式をたくさん保有すること(資産のリスクも勤め先の会社に集中)
これらを同時にやってしまうと、勤め先の会社の業績によって、収入も変動しますし、お持ちになっている資産の金額も同じように変動する可能性が高くなります。
つまり、最悪の場合、職を失い、資産も失う、、、という可能性もあるわけです。
日本人だからこそ日本株はあまり持たない
この考え方をもう少し拡大解釈すると、日本人だからこそ、日本株式はあまり持たない方がよいのでは、ということになります。
どういうことかと言いますと、これをお読みの多くの方は、日本でお仕事されていると思いますが、
- ご自身の給与や賞与は勤め先の会社の業績の影響を受けるでしょうし
- 勤め先の会社の業績は日本経済の影響を受ける傾向がある
のではないでしょうか。
ということは、ご自身の収入が日本経済の影響を受けやすい状態で、ご資産も日本株式を中心に保有してしまうと、従業員持株会の話同様、
- 日本経済の不況により会社の業績が悪化
- 自分の給与・賞与に悪影響
- さらには資産価格も下落
という可能性があるわけです。
ここで、ご資産の中身を日本株式中心ではなく、外国株式中心にしておけば、その外国の経済と日本経済は必ずしも連動していないでしょうから、資産価格の下落の可能性は低くなるということです。
↑こちらの記事で、株式保有の配分比率として、
「日本株式:日本を除く先進国と新興国の株式」 = 「8 : 92」 もしくは 「1 : 9」
と書きましたが、今回の「日本人だからこそ日本株はあまり持たない」という考え方を採用されるのであれば、上記の比率よりも日本株式を少なめにしておく、という考え方になります。
そもそも世界の株式時価総額に占める日本株式の割合は、1割未満ですので、この割合を基準とすれば減らしたところでそれほど大きな影響はない気もしますが、
「株式といえば100%日本株式」
といった状況になっている方は、こういった「日本人だからこそ日本株はあまり持たない」という観点もぜひ考えてみて頂ければと思います。