資産形成ハンドブックでは、以下の記事でもご説明していますが、資産形成していく際にリターンを求めて投資する先としては、世界の株式に幅広く投資していくのがよいと考えています。
一般的に、世界の投資対象を地域の観点で分類する際には、日本、先進国、新興国といった形で整理されることが多いのが現状です。
そこで、日本、先進国、新興国のそれぞれの株式に投資することを念頭に、それぞれの割合(浮動株基準時価総額ベース)がどのようになっているか、最新の状況を確認しておきたいと思います。
「そもそも時価総額って?」という方は、まず以下の記事に目を通して頂ければと思います。
2020年3月末における世界の株式時価総額
まずは3ヶ月前の、2020年3月末の状況です。
これを見ると、
日本:先進国:新興国 = 7.5 : 80.5 : 12.0 ~ 7 : 81 : 12
となっていることがわかります。
2020年6月末における世界の株式時価総額
次に、最新の2020年6月末の状況です。
これを見ると、
日本:先進国:新興国 = 7.0 : 80.8 : 12.2 ~ 7 : 81 : 12
となっていることがわかります。
もっとざっくりでよければ
日本:先進国:新興国 = 1 : 8 : 1
になります。
銘柄数は前回と比較して59銘柄減少(日本 -2、先進国 -38、新興国 -19)とかなり減少しているようです。
ただ、依然として合計2,988銘柄となっており、これだけ幅広く分散投資できれば十分でしょう。
ちなみに、日本、先進国、新興国をすべて合わせたMSCI ACWI(オールカントリーワールドインデックス)の構成銘柄上位10銘柄は以下の通りです。
以下の3ヶ月前と比べて上位の銘柄に大きな変化はありませんが、
- AppleがMicrosoftを抜いて1位になったこと
- Apple、Microsoft、Amazon、Facebookといった上位4社の構成比率が高まったこと
がわかります。
2020年6月末までのMSCI浮動株基準時価総額の推移
2018年3月末以降の推移を四半期ごとに見ると以下のグラフのようになっています。
3ヶ月前と比べて、構成割合はそれほど大きく変化していません。先進国、新興国がそれぞれ+0.3%、+0.2%となる一方、日本が-0.5%となっています。
上がったり、下がったりを繰り返しはしているのですが、日本は2018年3月に比べて-1.0%となっており、もう少し長く過去15年くらいのパフォーマンス(下のグラフ:黄色が先進国、青色が日本)で確認すると、日本のアンダーパフォーマンスが一目瞭然です。
必ずしもパフォーマンスを見て、日本をアンダーウェイト(時価総額の割合と比べて、さらに配分割合を低め)にするべきとは思いませんが、この記事を読まれている方でお仕事をされている方は、ほとんどの方が日本でお仕事をされ、日本円を稼いでいる方かと思います。
そういった方は、以下の記事で紹介したような考え方で、保有されている金融資産はあえて日本以外を少し多めに、というのも一つの考え方になります(ちなみに、「日本人だから日本株式だけに投資する」というのはオススメ致しません!)。
また時価総額の絶対水準をグラフにすると次のようになります。
前回は約22%も減少したわけですが、今回は約20%上昇しており、下げた分の大半を回復していることがわかります。
なお、2019年の実績運用利回りは次の記事で確認していますので、併せてご覧頂ければと思います(なお、配当と運用費用の分だけ、指数そのものと投資信託のリターンはズレています)。
アセットアロケーションに正解はない、と言われることもありますが、資産形成ハンドブックでは、
全世界の株式を時価総額ベースで保有する
というのが基本的な考え方になると考えています。
ご参考となれば幸いです。