本文へ移動

ブログ

TOPブログ最新の世界の株式時価総額(MSCI 浮動株基準、2022年9月)~時価総額は7.4%減少(ただし、円建てなら1.4%減少)。アップル、アマゾン、テスラ強し~

最新の世界の株式時価総額(MSCI 浮動株基準、2022年9月)~時価総額は7.4%減少(ただし、円建てなら1.4%減少)。アップル、アマゾン、テスラ強し~

投稿日:

pie-chart-1569175_1920

本記事の解説動画(YouTube)です。

よろしければ、チャンネル登録、高評価、コメントお願い致します!
/////////////////////////////////

 

資産形成ハンドブックでは、以下の記事でもご説明していますが、資産形成していく際にリターンを求めて投資する先としては、世界の株式に幅広く投資していくのがよいと考えています。

 

世界の株式に幅広く投資する方法(2)~つみたてNISAの対象商品から商品を選ぶ~

長期投資で利回り5%程度を実現するためのオススメ投資信託(2020年10月)

 

一般的に、世界の投資対象を地域の観点で分類する際には、日本、先進国、新興国といった形で整理されることが多いのが現状です。

 

そこで、日本、先進国、新興国のそれぞれの株式に投資することを念頭に、それぞれの割合(浮動株基準時価総額ベース)がどのようになっているか、最新の状況を確認しておきたいと思います。

 

 

「そもそも時価総額って?」という方は、まず以下の記事に目を通して頂ければと思います。

株式の時価総額とは?日本では1位のトヨタ自動車も、米国アップルの約4分の1

株式の浮動株時価総額とは?

 

MSCI株式インデックスの対象国

本記事で対象としているのは、MSCI社が算出している株式インデックスですが、その構成国一覧を整理しておくと、次のようになっています。

 

 

ACWI(オール・カントリー・ワールド・インデックス)が先進国と新興国のすべて、そして、先進国と新興国についてはそれぞれのインデックスが算出されています。

  • MSCI ACWI(オール・カントリー・ワールド・インデックス):先進国、新興国を対象とする47ヶ国
    • MSCIワールドインデックス:日本を含む先進国23ヶ国
      • MSCIジャパン:日本のみ
      • MSCIコクサイ:日本を除く先進国22ヶ国
    • MSCIエマージング・マーケット・インデックス:新興国24ヶ国

 

2022年6月末における世界の株式時価総額

まずは3ヶ月前の、2022年6月末の状況です。

 

 

これを見ると、

日本(Japan):先進国(Kokusai):新興国(Emerging Markets) = 5.4 : 82.8 : 11.7 ~ 5 : 83 : 12

となっていることがわかります。

 

ちなみに、今回から、MSCI Kokusai(日本を除く先進国株式)に含まれているMSCI USA(米国)を表の最後に追加してみました。

米国だけで全体の60.6%となっており、日本を除く先進国株式のうち約73%を占めていることがわかります。

よく米国株式か、全世界株式か、みたいなことが言われますが、結局約6割相当(米国)部分は、同じで、それ以外の46ヶ国を分散して広めに投資するかどうか、という違いなわけです。個人的にはリスク管理の観点から、できるだけ分散して全世界株式がよいと考えています。

 

ちなみに、細かいですが、MSCI USAは米国株式の時価総額上位85%をカバーしており、構成銘柄数は上の表にある通り626銘柄です。米国株式インデックスで代表的なS&P500は時価総額の上位80%をカバーしており、9月末時点の構成銘柄数は503銘柄となっています。

インデックスを算出するMSCIとS&Pで細かい違いはあると思いますが、ざっくり言うと時価総額5%相当の部分に123銘柄含まれているということになるわけですね。

 

2022年9月末における世界の株式時価総額

次に、最新の2022年9月末の状況です。

 

これを見ると、

日本(Japan):先進国(Kokusai):新興国(Emerging Markets) = 5.4 : 83.5 : 11.1 ~ 5 : 84 : 11

となっていることがわかります。

 

前回6月末と比べると、新興国と米国以外の先進国が低下し、その分米国が上昇した形になっています。

 

ちなみに、銘柄数は全体で2,895銘柄から2,900銘柄へと、前回と比較して5銘柄増加(日本 ±0、先進国 ±0、新興国+5)しています。

 

合計2,900銘柄となっており、分散投資という観点では、これだけ幅広く投資できれば十分ですね!

今なら1本の投資信託で、このように3,000銘柄近くに手軽に分散して投資することが可能です(投資信託によっては約9,000銘柄のものも)。

 

毎回書いてますが、本当にいい時代になりました!

 

MSCI ACWI(オール・カントリー・ワールド・インデックス)の構成銘柄トップ10

日本、先進国、新興国をすべて合わせたMSCI ACWI(オールカントリーワールドインデックス)の構成銘柄上位10銘柄を確認していきます。

 

まず前回3ヶ月前は以下の通りです。

MSCI ACWI(オールカントリーワールドインデックス)の構成銘柄上位10社(2022年6月末):MSCI ACWI factsheetより

 

そして、今回の2022年9月末は次のようになっています。

MSCI ACWI(オールカントリーワールドインデックス)の構成銘柄上位10社(2022年9月末):MSCI ACWI factsheetより

 

3ヶ月前と比べると、以下のようなことがわかります。

  • 上位10社の顔ぶれは、TAIWAN SEMICONDUCTOR MFG、NVIDIAが消え、代わりにEXXON MOBIL CORP、BERKSHIRE HATHAWAY Bが入った。
  • 上位10社の時価総額(Float Adj Mkt Cap)合計は約8.4兆ドルと、3%ほどの減少
  • 上位10社の占める割合は15.51%から16.24%へと0.73%上昇
  • APPLE、AMAZON.COM、TESLAの3社がそれぞれ0.3%程度上昇

 

2018年4月以降について、上位10社のシェアを見ると、前回の大幅低下から少し戻した形になっていることが確認できます(折れ線グラフが、全時価総額に対する上位10社の時価総額の割合です)。

 

2022年9月末までのMSCI浮動株基準時価総額の推移

2018年3月末以降の推移を四半期ごとに見ると以下のグラフのようになっています。

 

基本は時価総額の変動に任せて時価総額ベースで保有していればよいと思いますが、この記事を読まれている方でお仕事をされている方は、ほとんどの方が日本でお仕事をされ、日本円を稼いでいるかと思います。

 

そういった方は、以下の記事で紹介したような考え方で、保有されている金融資産はあえて日本以外を少し多めに、というのも一つの考え方になります(ちなみに、「日本人だから日本株式だけに投資する」というのはオススメ致しません!)。

「日本人だからこそ日本株はあまり持たない」という考え方

 

日本経済の成長が期待しづらい中、自分の時間を使って働く収入も(各個人で事情は異なると思いますが、一般論で言えば)増加が見込みづらいかと思いますので、せめて自分のお金には海外で働いてもらうことで全世界並みの成長を享受していきたいところです。

 

また、最近の円安、インフレという面からも、日本円だけの資産を保有しているというのは、購買力を維持、向上させていくという観点からは、おすすめできません!

そして、この観点からは「為替ヘッジなし」が基本になります!

 

次に、時価総額の絶対水準をグラフにすると次のようになります。

 

6月末の約55.6兆ドルからさらに7.4%ほど減少し、9月末には約51.5兆ドルとなっています。

ただし、この間、円安が進みましたので、MSCI ACWIに連動するインデックスファンド(例えば、eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー))の基準価額の変化で確認すると、1.4%の下落にとどまっています。

 

eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー))の基準価額の変化(2022/6/30-2022/9/30)

 

途中は上がっていましたが、結果的には6月末の水準とあまり変わらないという結果になっています。この3ヶ月間、一度もマーケットや評価額の変化を見ていなかったら、「ああ、少しだけ下がったのね」という感じで、ハラハラ・ドキドキ、一喜一憂しなかったかもしれないですね(笑)

 

フツーの人にとってのリスク資産は全世界株式インデックスファンドでOK!

アセットアロケーションに正解はない、と言われることもありますが、資産形成ハンドブックでは、

全世界の株式を時価総額ベースで保有する

というのが基本的な考え方になると考えています。

 

もっと高いリターンを!と追求し始めるとキリが無くなります。また、そのための時間やお金といった負担が大きくなってしまいます。

資産形成に手間をかけたくないフツーの人なら、

全世界株式を対象とした時価総額ベースで低コストのインデックスファンド一本でよい

と思います。

 

個人個人で取れるリスク量が異なると思いますが、そのあたりは、

安全資産(預貯金などの元本保証商品)とリスク資産(主に株式を対象とした投資信託)の配分比率で調整すればよい

と考えています。なお、この考え方はトービンの分離定理と言われるものです。

 

ご参考としていただけましたら幸いです。

 

用語集

専門用語もわかりやすく
解説します!

筆者プロフィール

株式会社ウェルスペント 代表取締役
ファイナンシャルプランナー

横田 健一

Yokota Kenichi

横田 健一

一人でも多くの方に、人生の最期で「有意義な人生だったなぁ」と感じていただけるよう、お金・資産形成の面から、皆様のお役に立ちたいと考えております。 お金についての漠然とした不安、不満など、一人で悩まず、ぜひお気軽にご相談ください。

初の著書発売!!

新しいNISA
かんたん最強のお金づくり

河出書房新社 2023年6月

横田 健一 著

お問い合わせ

「資産形成ハンドブック」では、以下のようなお問い合わせ、ご相談を受け付けています。

  • 資産形成に関する皆様のお悩み、ご不安
  • 資産形成・資産活用に関する個別相談(有償)
  • イベントやセミナー、執筆や監修のお問い合わせ

運営会社

株式会社ウェルスペント 〒101-0048
東京都千代田区神田司町2-13 神田第4アメレックスビル 4階

株式会社ウェルスペント 代表取締役
ファイナンシャルプランナー

横田 健一

横田 健一

Yokota Kenichi

一人でも多くの方に、人生の最期で「有意義な人生だったなぁ」と感じていただけるよう、お金・資産形成の面から、皆様のお役に立ちたいと考えております。 お金についての漠然とした不安、不満など、一人で悩まず、ぜひお気軽にご相談ください。