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【ご質問頂きました!】世界に会社が2つしかなかったとしても、時価総額で投資するか?

投稿日:

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吊られた男の投資ブログ (インデックス投資)を運営されている吊ら男様より

「投資対象が2社しかなかったとしたら、時価総額で配分するのは一方への集中投資になりリスクが高くなってしまうのではないでしょうか?」

というご質問を頂きましたので、回答させて頂きます。

 

本質的で鋭いご質問だと思います。ありがとうございます。

 

まず頂いたご質問を、原文のまま掲載させて頂きます。

 

(吊ら男様より頂いたメッセージ)

時価総額がいい理由としてのシミュレーションとしてA社B社の2社しか存在しない例を挙げられていましたが,これは投資開始時点で時価総額が同じというパターンでした。ですから投資時点では時価総額比で投資するにしても1:1とバランスよく分散されていました。

では、株式会社Aが時価総額50億円で,株式会社Bが時価総額950億円といったように時価総額に偏りがある場合でも時価総額が優れているのでしょうか?これだと投資する際に5:95の比率で分散投資をすることになり、B社の株の値動きに圧倒的に依存します。一応は分散投資といっていますが、ほとんどB社への集中投資と変わりません。もともと従来の分散投資の考え方は複数の籠に卵を分けろという話であって、大きい籠にはたくさん卵を乗せろという話ではなかったように思いますが、いかがでしょうか?

 

なお、こちらのご質問は以下の4つの記事でご説明している内容を受けてのものとなっております。

よろしければ、先にご一読頂ければと思います。

 

世界の株式に幅広く投資するなら時価総額ベースがオススメな理由(1)

世界の株式に幅広く投資するなら時価総額ベースがオススメな理由(2)

世界の株式に幅広く投資するなら時価総額ベースがオススメな理由(3)

世界の株式に幅広く投資するなら時価総額ベースがオススメな理由(4)

 

前提の確認

ご質問の対象となった記事では、以下のような前提で話を進めていますので、まず確認させて頂ければと思います。

 

世界に株式会社が2つしかなかったら?

 

できるだけシンプルで極端な例として、世界に株式会社が2つしかなかったと仮定します。

 

アップルとアマゾンが次々と世界中の企業を買収していき、最終的に2社だけになってしまったと考えて頂いても結構です(現実的ではありませんが、、、)。

 

いずれにしても、世界に株式会社は2つしかないと仮定します。

 

この2社を株式会社Aと、株式会社Bとします。

 

そうすると、世界にモノやサービスとして付加価値を提供する株式会社は、株式会社Aと株式会社Bの2社だけとなり、以下の記事でご説明したように、世界のGDPにおける企業部分はこの2社のみとなります。

 

世界の株式に幅広く投資するなら時価総額ベースがオススメな理由(1)より

 

このように、世界で株式会社が2つしかなく、その2社で世界中にモノやサービスとして付加価値の大半を提供している状況を考えています(もちろん個人事業主の方もいらっしゃるかと思いますが、できるだけシンプルな条件を考えるということで割愛させて頂きます)。

 

上場していて投資可能な株式会社は2社しかおらず、その2社が世界のGDP(法人部分)に貢献している状況です。

 

まず、このように世界の会社がたった2社に統合されたとしたら、どのくらいの時価総額になるのか、ざっくりで考えてみましょう(M&Aに伴う各種プレミアムや税効果などは考慮しないという前提です)。

 

まず、以下の記事でご紹介していますが、

最新の世界の株式時価総額(MSCI 浮動株基準、2018年12月)

2018年12月末において、日本、先進国、新興国の上場企業の時価総額上位85%が、

46,846,424 (百万米ドル)

となっており、考えやすくするために、1 USD = 100円で考えると、

46,846,424 (百万米ドル) = 46,846,424億円 = 4,684兆円

となります。

 

つまり、時価総額100%に直すと、

4,684兆円 / 0.85 = 5,510兆円

となります。

 

非常にざっくりいうと、もし世界中に会社が1社しかなかったら、その時価総額5,510兆円くらいになるわけです(浮動株基準ですので、発行済だと数字が変わってきますが、その点は考慮しないことにしておきます)。

 

さらに極端な例として、世界に1社しかなかったら?

吊ら男様からご質問頂いたのは、元の記事で説明した例が2社だったこともあり、2社の例ですが、さらに極端な例として、世界に株式会社1社しかなく、すべてのモノやサービスを世界中に提供している場合を考えてみたいと思います。

 

すると、この会社の時価総額は5,510兆円くらいということになります。

 

世の中に1社しかなかったら、投資しますか?

これはさらに別の言い方をすれば、株式というアセットクラスを保有しますか?ということになるかと思います。

 

筆者の考えは、投資する、です。

この場合、株式というアセットクラスにおいては、一社への集中投資になります。

 

それは世界にモノやサービスとして付加価値を提供し、利益を生み出し続ける仕組みはその会社しかないからです。

 

この場合、分散投資という意味では、株式以外の不動産や債券など異なるアセットクラスへの投資を検討するということになるかと思います。

 

結論としては時価総額で投資します!

では、頂いた質問の事例である、2社の場合について考えてみます。

 

もし同じくらいの時価総額で2社存在するのであれば、2,755兆円くらいの時価総額の会社が2つあることになりますし、

吊ら男様が想定されたように、9:1の時価総額ということでしたら、4,959兆円くらいの会社と、551兆円くらいの会社がある、

ということになるかと思います。

 

この2社に対して、等金額で投資をするか、時価総額で投資するか、というご質問かと思います。

 

このような前提のもと、筆者が実際に投資するとしたら、少なくとも株式というアセットクラスの中においては、時価総額で配分した割合で投資するのがよいと考えています。

 

なぜか?と言われると、元の記事でもご説明したように、今後、この2社のうちどちらの業績が成長していくか、利益を出し続けていくか、などを予測することは不可能だと考えているからです。

 

利益が伸び続ける会社の時価総額は自然に増加していくでしょうし、利益が停滞する、もしくは減少していくような会社の時価総額は減少していくと考えています。

 

そのような前提に立つと、2社のみが存在する状況において、均等配分(2分の1ずつ)を維持し続けるポートフォリオ(等金額ポートフォリオ)を保有することはリスクになると考えています。

 

リバランスの手間もかからず、2社の成長に応じて、概ね妥当な割合を自動的に維持し続けてくれる時価総額ベースのポートフォリオがよいのではないかと考えています。

 

最後に

以上、ご回答させて頂きましたが、これはあくまで現時点における筆者の考え方であり、いろいろな考え方があるのではないかと思います。

 

どれが正しい、正しくない、というより、ご自分に腹落ちする考え方を採用されるのがよいのではないかと思います。

 

なお、ご質問の対象となった記事では、世の中に株式会社A、株式会社Bしかなかったという想定で書いていますが、これは先進国株式インデックス、新興国株式インデックスをそれぞれ1つの会社とみなしたイメージで書いておりました。

 

現実的には、この株式会社Aと株式会社Bの割合を一定に保つようにしたとしても、株式会社Aの実態が先進国株式インデックスの構成銘柄であるなら、その中身は時価総額ベースで変動し続けることになります。

 

以下のように整理してみると、先進国株式インデックスや新興国株式インデックスに連動するインデックスファンドを利用すると、国レベル、会社レベルでは、すべて時価総額比率になっています(カントリーインデックスを利用する場合は、国レベルも調整可能ですが)。

分類大分類(地域)中分類(国)小分類(会社)
配分比率の方針固定配分 or 時価総額時価総額時価総額
先進国日本、米国、英国、フランス、ドイツ、、、アップル、アマゾン、マイクロソフト、トヨタ自動車、、、
新興国中国、韓国、台湾、インド、ブラジル、、、テンセント、アリババ、サムスン、、、

そのようになっているならば、先進国、新興国の比率も受身的に(パッシブに)時価総額まかせにするのがよいのでは、というのが筆者の考えです。

 

ちなみに、今回は世界で2社しかなかったら、という前提の話でしたが、話を現実にもどして、特定の2社(例えば、トヨタ自動車とアマゾン)のみに投資するとしたら、どのような割合で保有すべきか、という話になると、それは話が変わってきます。

 

というか、その場合、そもそも2社にしか投資しない、という前提を見直して、数千銘柄への分散投資をオススメすることになるかと思います。

 

用語集

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筆者プロフィール

株式会社ウェルスペント 代表取締役
ファイナンシャルプランナー

横田 健一

Yokota Kenichi

横田 健一

一人でも多くの方に、人生の最期で「有意義な人生だったなぁ」と感じていただけるよう、お金・資産形成の面から、皆様のお役に立ちたいと考えております。 お金についての漠然とした不安、不満など、一人で悩まず、ぜひお気軽にご相談ください。

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