インデックスファンドでベンチマークとして使われるインデックスとして、これまで日経平均、TOPIX、MSCI コクサイ、MSCI エマージング・マーケットとご紹介してきましたが、これらはいずれも株式のインデックスでした。
日経平均株価(日経225)やTOPIX(東証株価指数)などのインデックスとは?(3)MSCI Kokusai(MSCI コクサイ)
日経平均株価(日経225)やTOPIX(東証株価指数)などのインデックスとは?(4)MSCI Emerging Markets(MSCI エマージング・マーケット)
そこで、今回ご紹介するのは、
NOMURA-BPI総合(NOMURA-ボンド・パフォーマンス・インデックス総合)
という債券のインデックスです。
野村證券 金融工学研究センターが公表しているもので、NOMURA-BPIのサイトにある債券インデックスハンドブックを参考にしながら、ご説明していきます。
NOMURA-BPI とは?
NOMURA-BPI(野村ボンド・パフォーマンス・インデックス)は、国内で発行された公募固定利付債券の流通市場全体の動向を的確に表すために開発された投資収益指数である。当インデックスは一定の組入基準に基づいて構成された債券ポートフォリオ(以下、インデックス・ポートフォリオ)のパフォーマンスをもとに計算される。
現在、NOMURA-BPI は国内債券ベンチマークとして年金基金を始めとする多くの機関投資家に利用されている。なお、2016 年 4 月時点で約 10500 銘柄の債券が組入れられており、組入額面は約 870 兆円となっている。
とありますので、国内で一般に販売されている固定利付債券を対象にした、債券ポートフォリオのインデックスで、組入銘柄数が約10500、額面で約870兆円となっていることがわかります。
ちなみに、東証一部に上場している株式を対象にしたTOPIX(東証株価指数)では、銘柄数が約2000、時価総額が約646兆円(2018/7/10)ので、銘柄数、金額のいずれも大きいことがわかります。
NOMURA-BPIの組入基準
具体的な組入基準(インデックスの算出対象となる債券の基準)はこちらにある通りですが、残存額面10億円以上、残存年数1年以上ということで、金額的に小さいものや、償還までの期間が短いものは対象外となっているようです。
NOMURA-BPIセクター
NOMURA-BPIのセクターは、国債、地方債、政府保証債、金融債、事業債、円建外債、MBS(Mortgage-Backed Securities)、ABS(Asset-Backed Securities)の8つに分けられています。
NOMURA-BPI総合は、これら8つのセクターすべてを含む総合的なインデックスというわけですね。
NOMURA-BPIセクター別額面およびウェイト
セクター別の額面およびウェイトを確認すると、国債が約710兆円で81.0%と、ほとんどが国債になっていることがわかります。
さらに地方債、政府保証債を合計すると10.2%となっており、一般的な事業会社が発行している事業債は5.9%と、国内債券の中では1割にも満たないことがわかります。
NOMURA-BPI 月次データ(2018年06月29日)
NOMURA-BPIの6月末時点での月次データを確認してみます。
月次 投資収益指数 およびポートフォリオ指標(最新のデータはこちら)
左側に「総合」とある、NOMURA-BPI総合のデータを確認してみます。
額面は、938895(10億円)ということなので、最新の金額だと約939兆円という数字になっていることがわかります。
残存(年)を見ると、9.55年とありますので、組み入れられている債券の満期までの平均的な長さが10年弱であることがわかります。
さらに、複利(%)を見ると0.12%とありますので、この時点(2018年6月29日)でNOMURA-BPI総合の債券ポートフォリオを購入すると、利回りとして0.12%くらいが期待できることがわかります。
最後に
ということで、今回は、国内債券インデックスファンドのベンチマークとして最もよく使われているインデックス、NOMURA-BPI総合(NOMURA-ボンド・パフォーマンス・インデックス総合)をご紹介しました。
誤解を恐れずに、ざっくり言うと、
8割が国債で、残存年数10年弱くらいの債券の集まりで、利回りが0.12%程度
ということになるかと思います。
インデックスになると、とたんに具体的なイメージがわきづらくなるかもしれませんが、中身は個別の債券が約1万銘柄入っていて、特徴としては上記のようなもの、ということになります。
利回り0.12%程度ということですが、投資対象として購入すべきでしょうか、それとも購入すべきではないのでしょうか。
次回、そのあたりをご説明していきます。