日経平均株価やTOPIX(東証株価指数)は、どこかで耳にしたことがあるという方もいらっしゃるかと思いますが、
エムエスシーアイ・コクサイ(MSCI Kokusai)
を聞いたことがあるという方は、激減するのではないかと思います。
「ぼくは、MSCI Kokusaiに連動するインデックス・ファンドに投資してますよ」
なんてお話をすると、
「へー、債券に投資してるんだぁ」
と勘違いされる方もたまにいらっしゃいますが、MSCI Kokusaiは株式のインデックスです。
MSCIとは?
いきなりMSCI Kokusaiにいくと大変なので、1つずつご説明していきます。
まず、前半のMSCIですが、これはMorgan Stanley Capital International(モルガン・スタンレー・キャピタル・インターナショナル)の頭文字で、会社名です。
どんな会社かと言うと
MSCI(英: MSCI,Inc.)は、アメリカ合衆国・ニューヨークに本拠を置く、金融サービス企業。株価指数の算出や、ポートフォリオ分析など幅広いサービスを提供している。ニューヨーク証券取引所上場企業(NYSE: MSCI)。
ということで、株価指数(インデックス)の算出をしている会社です。
日本経済新聞社や東京証券取引所は、それぞれ新聞社だったり、取引所だったりが、株価指数の算出もしている、という感じですが、MSCIはどちらかというと株価指数を算出することが本業になっている会社です。
MSCI Kokusaiとは?
MSCIがわかったところで、MSCI Kokusaiとはどんな株式インデックスなのでしょうか。
一言で言うと、
先進国22ヶ国の株式を対象とした時価総額加重型の株式インデックスで、浮動株時価総額で上位85%程度の銘柄をカバーしているもの
という感じで、TOPIX(東証株価指数)と同じ、時価総額ベースの株式インデックスです。
いちおうMSCIによる正式な説明を載せておきます。
The MSCI Kokusai Index (also known as the MSCI World ex Japan Index) captures large and mid cap representation across 22 of 23 Developed Markets countries* (excluding Japan). With 1,327 constituents, the index covers approximately 85% of the free float-adjusted market capitalization in each country.
MSCI Worldという、MSCI Kokusaiとは別のインデックスがあり、それは先進国23ヶ国を対象としているのですが、それから日本を除いたものが、MSCI Kokusaiとなっています。つまり、構成国としては
MSCI World(先進国23ヶ国) = MSCI Kokusai(先進国22ヶ国) + Japan
というわけです。
MSCI Kokusaiのこれまでの動きは?
過去15年間にわたる、MSCI Kokusai指数の動きは以下のようになっています。
リーマンショックの頃は大きくへこんでいますが、基本的には右肩上がりで上昇してきている様子がわかります。
MSCI Kokusaiの構成国は?
先進国22ヶ国ということですが、実際の構成国は以下の通りです。
地域 | 構成国 |
---|---|
アメリカ | 米国、カナダ |
欧州&中東 | オーストリア、ベルギー、デンマーク、フィンランド、フランス、ドイツ、アイルランド、イスラエル、イタリア、オランダ、ノルウェー、ポルトガル、スペイン、スウェーデン、スイス、英国 |
太平洋 | オーストラリア、香港、ニュージーランド、シンガポール |
MSCI Kokusaiの国別構成比率は?
では、この22ヶ国の構成比率はどのようになっているのでしょうか。
浮動株時価総額の割合になっていて、米国が約65%と、3分の2近くを占めています。英国、フランス、ドイツ、カナダと続きますが、いずれも1桁パーセントとなっており、大半が米国になっているのが現状です。
MSCI Kokusaiの構成上位10銘柄は?
構成銘柄数は1327銘柄(2018年2月28日時点)なのですが、浮動株時価総額が大きい銘柄ほど、組入割合は高くなっています。
上位10銘柄を見てみると、以下の通り、アップル、マイクロソフト、アマゾン、フェイスブック、JPモルガン、ジョンソン&ジョンソン、アルファベット(グーグルの持株会社)、バンク・オブ・アメリカ、エクソン・モービルと、米国企業ばかりとなっています。
最後に
ということで、MSCI Kokusaiという株式インデックスについてご紹介しました。
エムエスシーアイ・コクサイ?と聞くと、何のことだかわからない方が多かったと思いますが、日本国内で販売されている、いわゆる「先進国株式インデックス・ファンド」は、ほとんどがこのMSCI Kokusaiに連動するタイプのインデックス・ファンドです(インデックス・ファンドについては改めてご説明致します)。
このMSCI Kokusaiに連動するインデックス・ファンドを購入すると、それを買うだけで、先進国22ヶ国の1327銘柄に分散して投資することができるわけです。これって、スゴイことだと思いませんか?
投資信託を1銘柄買うだけで、1327もの株式に、幅広く分散して投資できるということなんです。
資産形成としての株式投資をしていく場合には、とても重要なインデックスですので、ぜひ頭の片隅に入れておいて頂ければと思います。