フツーの人が資産形成していく場合、預貯金のみならず、投資もしていくのであれば、投資信託を利用して、幅広く分散して株式に投資していくのがよいと考えています。
そのように株式を投資対象とした投資信託の話をする時に、よく出てくる言葉として「株式の時価総額」というものがあります。
今回は、これについてご説明致します。
株式の時価総額とは?
株式の時価総額は、
株式の時価総額 = 株価 ✕ 発行済株式数
として表されるもので、企業の価値や規模を表す指標の一つです。
株式会社と株式投資で、株式会社タローについては、以下のようにご説明していました。
1株あたり1万円で株式を100株発行し、次郎さんが現金100万円を支払うかわりに、株式会社タローの株式100株を受け取ります
つまり、株式会社タローの例では、株価が1万円、発行済株式数が100株となりますので、
株式会社タローの時価総額
= 株式会社タローの株価 ✕ 株式会社タローの発行済株式数
= 1万円/株 ✕ 100株
= 100万円
となります。そして、株価が11,000円と10%上昇したら、
株式会社タローの時価総額
= 株式会社タローの株価 ✕ 株式会社タローの発行済株式数
= 11,000円/株 ✕ 100株
= 110万円
となりますし、株価が2倍の2万円となったら、
株式会社タローの時価総額
= 株式会社タローの株価 ✕ 株式会社タローの発行済株式数
= 20,000円/株 ✕ 100株
= 200万円
となるわけです。
証券取引所で日々取引されている株式(上場株式と呼ばれます)は、取引時間中は刻一刻と株価が変動していますので、時価総額もそれに合わせて変動していることになります。
日本の株式時価総額トップ10
では、実際に日本で上場している(取引所で取引されている)株式の時価総額トップ10を確認してみましょう。
引用元: Yahoo!ファイナンス 時価総額上位
時価総額1位はトヨタ自動車(株)で、その時価総額は22兆7333億円となっています。
念のため、表示されている株価(表では「取引値」)と発行済株式数を使って、自分で計算してみると、
トヨタ自動車(株)の時価総額
= トヨタ自動車(株)の株価 ✕ トヨタ自動車(株)の発行済株式数
= 6967円/株 ✕ 3,262,997,492株
= 22,733,303,526,764円
= 22兆7333億352万6764円
となっていますので、確かに表示されている時価総額になっています。
時価総額ランキングでは、トヨタ自動車に続いて、NTTドコモ、NTT、三菱UFJフィナンシャル・グループが10兆円台で続いています。
そして、この表をじっくり見ていると、
必ずしも、株価が高いほど株式時価総額が大きいわけではない
ということがわかると思います。
例えば、トヨタ自動車より株価が高いソフトバンク(株価8649円)ですが、時価総額はトヨタ自動車の半分以下になっています。
これは、株価が高くても、発行済株式数が3分の1程度(トヨタ自動車の約32.6億株に対して、ソフトバンクは約11億株)になっているため、株式時価総額はトヨタ自動車よりも小さくなっているわけです。
例えば、株式時価総額が1兆円の企業は、以下の通り、様々なケースがあるわけです。
時価総額1兆円
= 株価 ✕ 発行済株式数
= 1兆円 ✕ 1株
= 1000億円 ✕ 10株
= …
= 1000円 ✕ 10億株
= 100円 ✕ 100億株
= …
米国の株式時価総額トップ10
最後に、米国の株式時価総額トップ10を確認しておきます。
米国株式の時価総額第1位はアップルで、約9131億ドル、1ドル106円で換算すると、日本円で約96.7兆円となります。
時価総額で日本最大のトヨタ自動車のさらに約4.2倍です。
時価総額は、株式の話になるとよく出てくる言葉ですので、ぜひ理解しておきましょう。