
「老後のために、とりあえずNISAを始めれば大丈夫」……そう思っていませんか?
最近では「資産形成といえばNISA」と言われるほど、投資の手法ばかりが注目されています。しかし、本来の資産形成はもっと多角的に考えるべき、人生そのものに関わるテーマです。
資産形成を検討する方の年齢は20代から60代まで幅広く、置かれた状況も価値観も千差万別です。資産形成には、誰にでも当てはまる唯一の「絶対的な正解」は存在しません。大切なのは、個々のライフプランに合わせて、自分なりの「心地よい形」を見つけることです。
本記事では、資産形成を始める際に押さえておくべき主要なポイントを、4つのステップで詳しく解説します。
1. 資産形成の「入り口」:いくら貯め、どう配分するか
資産形成の第一歩は、日々の収入の中から「いくらを資産形成に回すのか」という、生活費と貯蓄のバランスを確定させることです。
- 積立額の目安: 一般的には手取り収入の1〜2割が目安とされますが、これは固定的なものではありません。
- ライフイベントの考慮: 結婚、住宅購入、教育費など、控えているイベントによって必要な金額は大きく変動します。
- 柔軟な軌道修正: 最初から完璧を目指すのではなく、人生のステージに合わせて適宜「調整」していくことが重要です。
また、確保した資金を「預貯金」として置くのか、それとも「投資」に回すのかという配分も重要です。「毎月の貯蓄分のうち半分を投資信託に回す」といったように、具体的な比率を検討していくことが大切です。
2. リスク管理と「住まい」の選択
資産形成は単にお金を増やす(攻め)だけではなく、守り(保障)と住居についても同時に考える必要があります。
- 保険の考え方: 民間の保険を検討する前に、まずは自分が加入している「公的保険(社会保険)」の保障内容を正しく理解しましょう。その上で、家族構成に応じて不足する分だけを民間の保険で補うのが、コストを抑える基本です。
- 住宅の選択: 「持ち家か賃貸か」に一律の正解はありません。嗜好だけでなく、実家の相続予定、建て替え計画、住宅ローンの借入判断など、個別の事情を資産形成の一部として考慮する必要があります。
3. 投資対象の選定:なぜ「全世界株式」が推奨されるのか
多様な投資対象の中で、多くの人にとっての「最大公約数的な最適解」は投資信託です。少額から始められ、手間がかからず仕組み化しやすいからです。特に以下の2つの視点が重要になります。
- インデックスファンドを基本にする: 膨大な数の投資信託の中で、プロが運用する「アクティブファンド」が市場平均(インデックス)を上回り続けるのは至難の業です。まずはコストの低いインデックスファンドから始めるのが堅実です。
- 広範な分散投資(全世界株式): 特定の国に集中投資するのではなく、「オルカン(全世界株式)」のように世界中に分散することで、長期的なリスクを抑えられます。20〜40年という長期スパンでどの国が好調かを予測するのは不可能です。短期的な売買で利益を狙う「投機」ではなく、じっくり育てる「投資」を意識しましょう。
4. 資産形成の「出口」:貯めることを目的化しない
資産形成において最も見落とされがちなのが、「貯めた資産をいつ、どう取り崩して使うか」という出口戦略です。
資産形成の真の目的は、数字を増やすことではなく、「安心感を持って人生を楽しみ、幸せな人生を送るための手段」であるべきです。老後に数千万円の資産を持ちながら、「もっと若い頃に有効にお金を使えばよかった」と後悔するケースも少なくありません。
老後資金の確保はもちろん大切ですが、子供の教育費や自己投資、あるいは人生を彩る経験など、必要なタイミングで適切に使っていくことも同様に大切です。人生全体を通じた「お金の回し方」を意識することが、真に賢い資産形成と言えるでしょう。
結論
資産形成の「正解」は、他人の成功例を模倣することではなく、自分自身のライフプランに照らし合わせ、無理なく続けられる形を自ら作り上げることです。
投資の手法という「手段」にこだわりすぎず、人生を豊かにするための「お守り」として資産を育て、そして賢く使う。このサイクルを意識することで、あなたの人生はより満足度の高いものになるはずです。
詳しくは以下の動画でもご説明していますので、併せてご覧いただけたらと思います。