昨日は、アラウンド70歳(団塊世代)の方から、現役世代の方へのメッセージとして、
『50歳の時の自分に声をかけるとしたら、どのようなアドバイスがしたいか』
という質問に対して、
「1位:しっかり貯蓄、2位:無理をしない、3位:何事にもチャレンジ」
という結果であることを確認しました(以下の記事です)。
本日は、アラウンド70歳(団塊世代)の方を含む60歳以上の方たちが普段どんな生活をされているのか、確認してみます。
「不安な個人、立ちすくむ国家〜モデル無き時代をどう前向きに生き抜くか〜」(平成29年5月 経産省 次官・若手プロジェクト)を参考にさせて頂きます。
日本の健康寿命は世界一
日本の健康寿命は世界一で74.9歳。
定年退職が65歳だとすると、平均的には9.9年ほどは健康に過ごせることになります。
右のグラフは、体力・運動能力の推移ということで「今の70代前半の高齢者の能力は14年前の60代後半と同じ」と、どんどん若返っている様子がわかります。
70代前半くらいまでは健康で、体力も十分あると考えて問題ないでしょう。
65歳以上でも働く意欲のある人は6割以上
65歳までに働くのをやめたい(引退したい)という人は4割程度。
残りの6割以上の方は、70歳でも、75歳でも、働けるうちはいくらでも!ということで、働く意欲のある方が多いようです。
実際は、高齢者が働く場はなく、社会的な活動もしていない
働きたい!という方が多い一方で、実際に働けている方は会社勤務、パート等を併せても26%程度と、4人に一人くらいしか働けていないようです。
働いていないということで、何をしているのかということですが、上の右側のグラフを見ると、「自治会、町内会などの自治組織の活動」や「趣味やスポーツを通じたボランティア等」がそれぞれ18.9%、11.0%となっているものの、
「特に活動はしていない」が69.9%
となっています!
では、一体、何をしているのでしょうか、、、
定年退職を境に、日がなテレビを見て過ごしている
次のスライドはなかなかショッキングなデータだと思います。
40代前半有業者(男性)の平日では、かなりの時間を「仕事」に使っていますが、60代前半無業者(男性)では、「仕事」に使っていた時間の大半が「TV等」「趣味等」「休養等」に置き換わっていることがわかります。
現在の60代の方はテレビですが、今の若い方が60代になる頃にはテレビの代わりに、Youtubeなのかもしれませんね。
定年退職後の時間の使い方、具体的に考えていますか?
人生における時間の使い方、考えていますか?
定年後の生き甲斐はどこにあるのか?
家族や仕事のある高齢者は生き甲斐を感じているようですが、一人暮らしや仕事をしていない高齢者の方は生き甲斐を感じにくいようです。
40年近く会社という組織に所属して働いていた方が定年退職して、仕事をやめ、場合によっては一人暮らし、ということになると、マズローの欲求5段階説で言うところの「社会欲求と愛の欲求 」や「承認(尊重)の欲求」が満たされず、生き甲斐を感じづらいということなのかもしれません。
社会欲求と愛の欲求 (Social needs / Love and belonging)
生理的欲求と安全欲求が十分に満たされると、この欲求が現れる。
自分が社会に必要とされている、果たせる社会的役割があるという感覚。情緒的な人間関係についてや、他者に受け入れられている、どこかに所属しているという感覚。愛を求め、今や孤独・追放・拒否・無縁状態であることの痛恨をひどく感じるようになる。
不適応や重度の病理、孤独感や社会的不安、鬱状態になる原因の最たるものである。承認(尊重)の欲求 (Esteem)
自分が集団から価値ある存在と認められ、尊重されることを求める欲求。尊重のレベルには二つある。低いレベルの尊重欲求は、他者からの尊敬、地位への渇望、名声、利権、注目などを得ることによって満たすことができる。マズローは、この低い尊重のレベルにとどまり続けることは危険だとしている。高いレベルの尊重欲求は、自己尊重感、技術や能力の習得、自己信頼感、自立性などを得ることで満たされ、他人からの評価よりも、自分自身の評価が重視される。この欲求が妨害されると、劣等感や無力感などの感情が生じる。
人生100年時代の人生設計(ライフプラン)。
今年、来年という短期的な計画ももちろん大切ですが、10年、20年単位で90歳、100歳くらいまでの長期的な計画も同時に持つようにしてみてはいかがでしょうか。
貴重な人生の時間、ぜひウェルスペントしていきましょう!