株式投資って、どのくらい儲かるの?
債券投資の利回りはどのくらい?
オルタナティブって、どうなの?
といったことは誰もが気になるトピックなのではないでしょうか。
今回、JPモルガン・アセット・マネジメントが、60もの各資産(内訳:債券 25、株式 15、オルタナティブ 20)について、今後10~15年における期待リターンの予想を公表していますので、確認しておきます。
詳細情報は、以下のプレスリリースおよび特設サイトをご覧ください。
プレスリリース:60資産の期待リターン超長期予想を発表~景気後退における「外れ値」を認識し、備えや対応を~(JPモルガン・アセット・マネジメント)
日本の個人投資家として確認しておきたい主要アセットクラスのリターンは?
日本の個人投資家として確認しておきたい主要アセットクラスとしては、以下の7つくらいかと思います。
- 日本国債
- 日本大型株式
- 先進国債券
- 先進国株式
- 新興国債券
- 新興国株式
- 世界株式
上記に加えて、REIT(不動産投資信託)を加えてもよいかと思いますが、最低限という意味では、やはり主要国の株式、債券ということになるかと思います。
ということで、早速、具体的な期待リターンを確認してみましょう。
株式が4.00%~6.75%、債券が0.75%~4.50%となっています。
株式、債券ともに新興国の方が期待リターンは高くなっていますが、要因の一部は、直近の新興国のパフォーマンスが悪かったことのリバウンド的な側面ですので、その点には注意しておくべきかと思います。
「リターンが高そうだから新興国にばかり投資する」ということではなく、経済の長期的な変動を考慮し、あくまで幅広く世界に分散して投資しておくのがよいと考えています。
日本、先進国、新興国に幅広く、投資しておく、というのが基本的な考え方でしょう。
また、日本債券については、今後10~15年という長期では0.75%というリターンが予測されています。
しかし、現在の日本10年国債の利回り水準(2018年12月18日時点で、0.030%)では、投資信託などを利用して日本債券に新規で投資した場合、信託報酬などの運用コストによって、投資家として得られるリターンがマイナスになる確率が高いと思われます。その点にはくれぐれもご注意頂ければと思います。
このあたりについては、以下の記事でご説明しておりますので、よろしければご覧頂ければと思います。
なお、本レポートでは、債券で25種類、株式で15種類、オルタナティブで20種類について、期待リターン、ボラティリティ(リスク)、相関係数についての予測が行われています。
具体的には以下に列挙したアセットクラスです。
ご興味ある方は、ぜひレポート本編で確認してみて頂ければと思います。
債券
- 日本インフレ率
- 日本短期金利
- 日本国債
- 米短期債券(国債・社債)為替ヘッジあり
- 米国総合債券 為替ヘッジなし
- 米国総合債券 為替ヘッジあり
- 米国ハイ・イールド債券 為替ヘッジなし
- 米国ハイ・イールド債券 為替ヘッジあり
- 米国レバレッジド・ローン 上位格付 為替ヘッジなし
- 米国レバレッジド・ローン 上位格付 為替ヘッジあり
- ユーロ圏総合債券 為替ヘッジなし
- ユーロ圏総合債券 為替ヘッジあり
- 先進国国債 為替ヘッジなし
- 先進国国債 為替ヘッジあり
- 先進国国債 除く日本 為替ヘッジなし
- 先進国国債 除く日本 為替ヘッジあり
- グローバル債券 為替ヘッジなし
- グローバル債券 為替ヘッジあり
- グローバル債券 除く日本 為替ヘッジなし
- グローバル債券 除く日本 為替ヘッジあり
- 新興国国債 為替ヘッジなし
- 新興国国債 為替ヘッジあり
- 新興国国債 現地通貨 為替ヘッジなし
- 新興国社債 為替ヘッジなし
- 新興国社債 為替ヘッジあり
株式
- 日本大型株式
- 日本小型株式
- 米国大型株式 為替ヘッジなし
- 米国小型株式 為替ヘッジなし
- 英国大型株式 為替ヘッジなし
- 欧州大型株式 為替ヘッジなし
- ユーロ圏大型株式 為替ヘッジなし
- 先進国株式 為替ヘッジなし
- 先進国株式 除く日本 為替ヘッジなし
- 世界株式 為替ヘッジなし
- 世界株式 除く日本 為替ヘッジなし
- アジア株式 除く日本 為替ヘッジなし
- 新興国株式 為替ヘッジなし
- 日本転換社債
- 世界転換社債 為替ヘッジあり
オルタナティブ
- 米国未公開株式 為替ヘッジなし
- 米国不動産 為替ヘッジなし
- 米国バリュー・アッド不動産 為替ヘッジなし
- 欧州不動産 為替ヘッジなし
- 米国不動産投資信託(REIT)為替ヘッジなし
- グローバルREIT 除く米国 為替ヘッジなし
- グローバルインフラ 為替ヘッジなし
- インフラデット 為替ヘッジなし
- ファンド・オブ・ヘッジファンド 為替ヘッジなし
- ファンド・オブ・ヘッジファンド 為替ヘッジあり
- イベント・ドリブン 為替ヘッジなし
- イベント・ドリブン 為替ヘッジあり
- ロング・バイアス ・ヘッジ・ファンド 為替ヘッジなし
- ロング・バイアス ・ヘッジ・ファンド 為替ヘッジあり
- レラティブ・バリュー 為替ヘッジなし
- レラティブ・バリュー 為替ヘッジあり
- マクロ・ヘッジ・ファンド 為替ヘッジなし
- マクロ・ヘッジ・ファンド 為替ヘッジあり
- コモディティ 為替ヘッジなし
- コモディティ 為替ヘッジあり
最後に
株式や債券への投資について、過去の実績リターンは比較的入手しやすいデータですが、このように今後10~15年といった長期的な視点での期待リターンの予測データというのはなかなか入手できないものです。
このデータはあくまでJPモルガン・アセット・マネジメントという会社の予測ですから、他の会社の予測は異なるでしょうし、どこの予測が当たるか、というのを事前に知ることはできません。
ただ、アセットクラス毎に、基本的にはこのくらいのリターンになりそうかな、という大まかな水準を理解しておくという意味では、非常に貴重で重要なデータかと思います。
いつもお伝えしていますが、株式の長期的な期待リターンは4~5%程度と考えておくのが妥当だと思います(気持ち保守的な数字かもしれませんが)。
なんだそんなもんか、と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、複利で10年、20年と長期で積み上げていくと、資産形成という意味ではかなりの威力を発揮します。
ぜひ長期、分散、積立投資を低コストで行っていきましょう!