投資とか、株式というと、
- 勝てる投資家になるための秘訣
- 株で勝ち続けるには
- 株式投資で勝つためには
- そんなやり方では勝てない
なんていう言葉が聞こえてきます。
しかし、資産形成において活用する投資では、誰か、もしくは何か、に「勝つ」必要はないと考えています。
ここで言う「勝つ」というのは一体何を意味しているのでしょうか。
少し考えていきたいと思いますが、その前に、まず、資産形成という言葉の意味から確認しておきたいと思います。
資産形成とは?
https://shisankeisei.jp/introduction-life-money/
資産形成ハンドブックでは、次のような意味で「資産形成」という言葉を使っています。
資産形成とは、
「社会に出て収入を得ながら、現役引退するまでに資産を積み上げていくこと」
であり、資産形成の目的は
「幸せな人生を送るために、お金の面で困らないようにすること」
だと考えています。
この点を踏まえた上で、具体的に、投資や株でいう「勝つ」が何を意味しているのか、考えてみたいと思います。
案1)プラスのリターンを獲得する
誰も損したくて投資する方はいらっしゃらないでしょうから、プラスのリターン(0%以上)を得る、というのは重要です。
その意味で「勝つ」というのであれば、確かに資産形成においても「勝つ」ことは必要でしょう。
(より正確には物価上昇を上回り、購買力を維持もしくはそれを少し上回るという実質リターンがプラスということかと思います)
案2)特定の利回り目標を上回る(例えば、年率10%など)
ご自分であらかじめ特定の利回り目標を定めた上で、それを上回れるかどうか、という観点で、「勝つ」とおっしゃっている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
確かに、
ライフプランシミュレーションをして、老後のお金はこのくらい必要だから、そのためには利回りがX%くらい必要。そのためには、このようなアセットアロケーションを組んで、、、
といったプロセスを経て、利回り設定しているのであれば、わからなくもありません。
しかし、一般的には漠然と10%、20%といったかなり高い利回り設定をされている方が多い印象があります。
案3)市場平均を上回る
一般的に、TOPIXなどの時価総額型インデックスは市場ポートフォリオとみなされることが多く、市場全体の平均利回りを上回ることを「勝つ」とおっしゃっている方もいらっしゃるかと思います。
しかし、資産形成において、その人に必要とされる利回りは異なりますから、市場平均と比べて勝った、負けた、というのは資産形成においては気にする必要はないでしょう。
案4)投資仲間もしくは友人、知人などの利回りを上回る
自分のまわりで投資をしている人の利回りを上回りたい、と考えている方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、最初に確認したように、資産形成の目的が
「幸せな人生を送るために、お金の面で(自分や家族が)困らないようにすること」
であるならば、自分以外のまわりの人に対して優越感を持つことは必要ないでしょう。
これは投資に限らず、収入やマイホーム、宝飾品など、まわりの人よりお金持ちでいたい、もしくは少なくともそう見られたい、といった他人との比較でよくある話かと思います。
しかし、他人と比べてばかりいると、いつまで経ってもその人は幸せになれないのではないかと思います。というのは、常に上には上がいますから。
最後に
ということで、「勝つ」という意味について少し考えてみました。
1番目の意味で使われているのであればアリかなとも思いますが、一般的には、2~4番目の意味で使われていることが多いのではないかという印象があります。
他の人と比べて、というより、自分で実現したいライフプランを明確にし、そのためにいくら必要か、それを用意するためにはどのくらいの利回りで運用していく必要があるのか、といった視点が大切だと考えています。
資産形成の目的を間違ってしまわないよう、気をつけて頂ければと思います。